スイス東部のダボスに世界各国からおよそ2500人を集めて開かれたことしの「ダボス会議」だったが、安倍晋三首相が掲げる「大胆な金融緩和、機動的な財政政策、成長戦略」を組み合わせた「アベノミクス」に世界の関心が集まった。
経済の低迷に喘ぐEU各国からみれば、デフレからの脱却を目指す金融緩和の強化策や、アベノミクスの新たな成長戦略などに高い関心が集まるのは当然であろう。多くの欧米の専門家らからは「日本経済が長期的な低迷から抜け出すために必要な政策だ」などと評価する声がでた。
その半面、金融緩和の強化策をめぐっては、ドイツのメルケル首相が「為替レートの政治的な操作に関心が集まっている。今は日本に懸念がある」と述べ、為替相場を意図的に円安へと誘導する政策にあたりかねないと懸念を表明している。
会議に出席した甘利明経済再生担当相は「政府と日銀が目標を共有し歩んでいくことは世界標準から全く逸脱していない。政府は為替レートに一切言及しない。市場が決めることだ」と反論した。
<【ダボス時事】甘利明経済再生担当相は26日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)のパネル討議で演説し、安倍晋三首相が掲げる「大胆な金融緩和、機動的な財政政策、成長戦略」を組み合わせた「アベノミクス」を説明した。
政府が国際舞台でアベノミクスの詳細を明らかにしたのは初めて。財政健全化との両立を含め「国際公約」となった形だ。これに対し、出席した国際機関首脳らは理解を示した。
甘利氏は、アベノミクスの第1弾として策定した緊急経済対策で実質GDP(国内総生産)を2%押し上げる効果を見込むことや、政府・日銀の連携強化と2%の物価目標導入など、安倍政権発足後の成果を強調。さらに、成長戦略では「実行に政府が明確に関与する」と力を込めた。
一方、「中長期的に持続可能な財政を実現していく」と言明し、従来の財政再建路線の維持を約束した。
討議では、経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長が「日本が大胆な金融緩和に踏み切ったことを支持する」と歓迎。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は「財政健全化に加え、金融緩和を合わせることが成長につながる」と指摘した。カナダ銀行(中央銀行)のカーニー総裁も「フレキシブルなインフレ目標は先進国なら実施していることだ。甘利氏の言っていることは全く正しい」と語った。
また、円安誘導や日銀の独立性侵害を懸念する意見に対し、甘利氏は「政府と日銀が目標を共有し歩んでいくことは世界標準から全く逸脱していない。政府は為替レートに一切言及しない。市場が決めることだ」と反論した。(時事)>
<世界各国の政治や経済界のリーダーが一堂に会する世界経済フォーラムの年次総会、いわゆる「ダボス会議」が27日、閉幕します。
会議では日本の安倍政権の経済政策に高い関心が集まり期待が寄せられる一方で、円相場の意図的な誘導にあたりかねないという懸念も示されました。
スイス東部の山あいの町、ダボスに世界各国からおよそ2500人を集めて開かれたことしの「ダボス会議」は27日、閉幕します。
会議では、安倍政権が掲げるデフレからの脱却を目指す金融緩和の強化策や、新たな成長戦略などに高い関心が集まり、欧米の専門家らからは「日本経済が長期的な低迷から抜け出すために必要な政策だ」などといった期待の声が寄せられました。
一方で、金融緩和の強化策をめぐっては、ドイツのメルケル首相が「為替レートの政治的な操作に関心が集まっている。今は日本に懸念がある」と述べ、為替相場を意図的に円安へと誘導する政策にあたりかねないと懸念を表明するなど、波紋も広げました。
また、会議では、ことしの国際情勢を見通すうえで、沖縄県の尖閣諸島を巡る日本と中国との対立についても、欧米の参加者から高い関心が寄せられたということです。
このほか、会議では、直前にアルジェリアで起きた人質事件についても議論され、イギリスのキャメロン首相は、ことし6月に開かれるG8サミット=先進国首脳会議でテロ対策を中心的な議題にする考えを示しました。(NHK)>
杜父魚文庫
11568 アベノミクスを国際公約=甘利氏がダボス会議で説明 古澤襄

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