韓国の聯合ニュース、朝鮮日報、中央日報が一斉に、韓国訪問中のミャンマーの最大野党国民民主連盟(NLD)党首・アウン・サン・スー・チー氏が、太平洋戦争をめぐる日本の歴史問題に絡み「過ちは誰でもあるが、過ちを認めることをためらうことこそが本当の過ちだ」と述べ、日本の姿勢を批判したと報じている。
日本とミャンマーの友好関係が深まる中で、あえてスー・チー氏が対日批判をしたのは疑問が残る。ニューヨーク・タイムスなど米国の反日メデイアに同調したのであろうか。慰安婦問題について確たる知識があるとは思えない。
もともとスー・チー氏については、欧米的な教育で育ったためアジア的な視野に欠けるという批判が日本の中にもある。最近では政府批判一辺倒の発言は鳴りを潜め、支持者の中にも失望感も広がっているともいわれている。
<【シンガポール=青木伸行】ミャンマーの最大野党・国民民主連盟(NLD)の党首、アウン・サン・スー・チー氏が、昨年5月初めに連邦議員に就任してから約9カ月。その言動に大きな変化がみられる。民主化勢力と少数民族を代弁した、政府批判一辺倒の発言は鳴りを潜め、「中立」の姿勢が著しい。現実の国政にもまれる中で生じている変化に、失望感も広がる。
スー・チー氏は議員就任の前後、少数民族の権利擁護を最優先課題の一つに掲げた。だが、軍が反政府武装勢力を空爆し、戦闘が続く北部カチン州の情勢では「政府が対処する問題だ。私は議会の民族委員会のメンバーではなく、干渉すべきではない」と述べた。
カチン族側には、スー・チー氏の関与への期待感が強かった。それも今や「彼女の関心は少数民族の苦しみよりも、賞をかき集め大統領になることにある」(カチン族の活動家)との批判に、転換されている。
仏、イスラム両教徒が衝突し、180人以上の死者が出ている西部ラカイン州では、救済を求める仏教徒らに、スー・チー氏は「道義的指導力を発揮すべきだとは思わない」と語った。
銅鉱開発に反対する住民を治安当局が強制排除し、僧侶など100人近い負傷者を出した北西部サガイン管区モンユワでは、今月29日も2千人以上の住民らが抗議行動を展開した。スー・チー氏は治安当局に「僧侶への謝罪」を求めたが、住民の「即時開発中止」の要求には応じていない。銅鉱は中国企業との共同開発であるため、「住民の利益が考慮されない場合もある」とも述べている。
スー・チー氏は事件の調査委員会の委員長に任命され、テイン・セイン大統領に先週、中間報告を提出している。中立性、客観性を要求される立場ではある。
こうした変化について、あるウォッチャーは「理想と哲学を語るだけでは駄目で、不用意な発言は混乱を招くと自覚した」との見方を示す。スー・チー氏はごく最近「大統領になりたい。政治家、党首であれば次に、国家のための構想を実現できる政治権力を、手にしたいと望むものだ」と、単刀直入に表明してもいる。変化は大統領職を見据えたものでもあろう。(産経)>
杜父魚文庫
コメント