11661 日本との戦争準備は出来た あとは開戦時期だけ  宮崎正弘

さすが、軍国主義チャイナの面目躍如。さぁ、日本との戦争準備は出来た。あとは開戦時期だけが問題だ。
在米華僑の有力紙『多維新聞網』(2月4日)に大意つぎのような、おっかない主張が掲載された。すなわち習近平は軍事方面の掌握に熱意と心血を注ぎ、党中央軍事委員会主席に就任以来、僅か百日をおかずしてほぼ軍権を掌握した。
胡錦涛のような、緩慢な軍権掌握ぶりに比べると迅速かつ強力であり、日本と、その同盟者アメリカとの戦争準備は整った、と。
事実関係は次の経過をたどっている。
習近平の軍事委主席就任後、初の軍事施設視察は広東省だったが、第四十二軍と傘下の124機甲師団、海軍南海艦隊基地を視察し、軍艦に試乗し、広州戦区では戦車の上にも乗ってパフォーマンスを演じた(「戦区」という表現に注意)。
ついで西北部にある第二砲兵部隊(戦略ミサイル軍)の某基地を視察した足で甘粛省酒泉にある宇宙ロケット発射基地も視察している。
殆どの視察には軍事委員会副主席ふたり、陸海空三軍のトップ、参謀総長などを従え、各地でハイテク兵器に裏打ちされた高度の軍事力建設を確固たるものとせよ、軍紀粛正、禁酒令を布告して歩いた。
胡錦涛が八年かけても、軍を完全に掌握できなかったが、その前任者の江沢民は軍権掌握に五年以上をかけて、しかも習とは真っ逆さまに軍幹部にへつらい、大将の辞令を乱発し、軍の副業や利権に目をつむり、軍の汚職の蔓延を放任し、やっとこさ、軍トップを掌握した。 
そうした前任者達の掌握へ到るスピードの緩慢さに比べると習の場合は、かなり迅速である。つまりトウ小平がベトナムに戦争を仕掛けて、その過程で軍を完全掌握したことをモデルにした、並々ならぬしたたかさがあると前掲論文は言う。
習は軍の組織の引き締めをはかり、思想と政治建設に重点を置いて、禁酒令まで下命したわけだが、禁酒令発布直後にマオタイ酒、五糧液など酒造メーカーの株価が暴落するという副産物まで伴った。
 ▼軍トップ全員は現場重視、視察を重ねて基層軍人の信頼をかちとることに躍起
経過を追ってみると、12年12月5日に習近平は北京の第二砲兵部隊、とりわけ巡航ミサイル部隊本部を訪問し、「核ミサイルこそは国家安全の基幹であり中国の国際地位を高める中枢の部隊である」と訓話をなした。
12月8日から10日にかけては前述したように広東省の各部隊を「新南巡」視察に平行して行い、軍の強化をひたすら訴えることに専心したのである。
年が明けて13年1月29日、習近平は人民武装警察を視察し「武警は国内安定を保証する重要な任務を帯びているのであり、今後も装備の充実を図りまた政治の運用に効率的であり、一層の国内安定化に努力せよ」との講話をなした。
2月2日、西北部にある某空軍基地を視察し、またロケット打ち上げセンターを訪問し、ハイテク装備、これからのますますの航空宇宙ハイテク化が高度国防に繋がる旨を強調した。(同日、安倍首相は沖縄の自衛隊基地を訪問した)
同時期に党中央軍事委員会副主席の氾長龍は北京軍区空軍基地、東海艦隊潜水艦基地、山東省ミサイル部隊、大連特殊部隊基地などを視察し、これら「釣魚島」戦闘部隊前衛基地に対して「習近平思想に忠実であり、イザの場合に備えて実戦訓練を怠るな」と訓示した。
やはり同じ時期に副主席の許其亮は、青島部隊を視察し、わけても092型潜水艦基地では「牢固として軍事力の確保が重要であり、戦闘力を強化し、確実な勝利を」と揚言した。
こうみてくると軍のトップは戦争準備に入ったと観察できるだろう。
経済建設と平行して中国が軍事力の強化、近代化に努力してきたのも、世界大戦の危険性は希薄とはいえ、日本、米国と戦端がひらかれた場合に、中国は朝鮮戦争の教訓を受けて、武装を強化しておかなければならない。
それが朝鮮戦争から60年の中国軍の夢でもあり、現有戦力でもってしても最大の戦略利益を獲得しなければいけないと総後勤部政治委員の劉源が発言している。(劉源は劉少奇の息子、軍事委員会入りはならなかったが、軍の実力者にとどまっている)。
これら軍トップの発言、講話を総括してみると、そこに現れている好戦性もさりながら、日本とその背後にあるアメリカの軍事力に抗することが戦略目標であり、また総合戦力の整合性確立のためにNATO軍の行ったトルコの軍事演習にならって2011年にはパキスタンと、同様な軍事訓練を展開してもいる。
 
その後、中国は迎撃ミサイルの発射実験に成功したと発表し、これは米国製パトリオット・ミサイルに続く、世界で弐番目のものと豪語した。
すでに中国は全天候型戦闘機を保有し、黄岩島(スカボロー岩礁)、蘇岩礁ならびに中砂、南砂群島、くわえて尖閣諸島全域の領空、領海をカバーし、さらに福建省の連城基地には55機の殲―6型無人攻撃機を配備したという。
この無人機は12分で尖閣沖に到達出来る。また米国のRQ4型無人偵察機の模型機の飛行実験も行った。
こうして軍トップの発言を裏付ける装備の近代化は宇宙兵器から無人偵察機、迎撃ミサイルまで、ハイテクに裏打ちされて、いつでも戦争に打って出られる態勢が確立されたと軍の強硬派が主張しているのである。
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました