11680 核実験予告で緊張増す南北境界線   古澤襄

英ロイターは北朝鮮が3回目の核実験にいつ踏み切るか、緊迫感が増す軍事境界線で、不測の事態に備える韓国軍部隊が攻撃を受けた場合は即座に応戦するよう指示を受けていると伝えてきた。
韓国軍は「攻撃には即時応戦」の指示を受けているという。小規模な衝突がエスカレートするリスクもある。
<[漣川(韓国) 8日 ロイター]北朝鮮が3回目の核実験に向けた準備を進める中、軍事境界線に駐屯する韓国軍部隊は、攻撃を受けた場合は即座に応戦するよう指示を受けており、小規模な衝突がエスカレートするリスクもある。
2010年に起きた北朝鮮による延坪島砲撃事件で、対抗射撃を行うまでに時間を要したとして非難を浴びた韓国国防総省は、応戦時には中央指令部の許可を必要とした規則を緩和する措置を取った。
「敵の挑発には即座に応戦する」。軍事境界線から800メートルほどの地点に配備されている通称「無敵台風師団」の指揮官、キム・サンミン氏(29)は力を込める。同省は、安全保障上の問題として、新たな命令に関する詳細を明らかにしていないものの、金寛鎮国防相はこの1年間、「敵が降伏するまで自動的に攻撃せよ」との指示を兵士に送ってきた。
北朝鮮が軍事行動に出た場合に備え、韓国は軍事同盟国の米国と共同作戦計画を策定。その指揮権が米国にある現状などを踏まえると、韓国軍が単独で即時応戦する可能性は低い。ただ、その可能性自体が小規模な衝突がエスカレートする懸念を高めている。
米韓両国はこれまで、民間人2人が死亡した延坪島砲撃事件の際も含めて、事態を悪化させるような行動は控えてきた。同事件では、韓国軍は砲弾発射から約15分後に対抗射撃を実施したが、国民からは対応の遅さをめぐって非難の声が上がり、当時の金泰栄国防相が引責辞任した。
<冷戦状態の現実>
21カ月におよぶ兵役義務のある韓国。召集を受けた若者の多くは、北朝鮮の核実験予告などで朝鮮半島の緊張が高まる中、両国がいまだに冷戦状態にある現実に直面する。
「入隊前、母国が戦争状態にあるとは感じず、心配もしていなかった」。こう振り返った無敵台風師団所属のShin Dong-joon氏(23)は、「でも今は、北朝鮮との境界で任務に当たり、この目で北朝鮮の領土を目にしていることの実感がわいてきた」と、心境の変化を口にした。
また、元陸軍兵士の1人は延坪島砲撃事件について、「延坪島の人たちはわなで捕えられたねずみだった」と、当時の韓国当局の消極姿勢を批判。その上で「応戦マニュアルは強化された。対抗射撃を行うことがより明確になった」と語った。(ロイター)>
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