11689 韓国制服組トップ、先制攻撃の可能性を示唆   古澤襄

「戦争するなら核攻撃を受けた後よりも受ける前の方がまし」と韓国合同参謀本部の鄭承兆議長が「先制攻撃」と「強化爆弾」に言及した。朝鮮日報が報じた。
<▲国会国防委員会「北朝鮮による核実験関連の懸案報告」で発言する合同参謀本部の鄭承兆(チョン・スンジョ)議長。この席で鄭議長は「北朝鮮は水素爆弾の前段階となる核実験を行う可能性がある」と発言した。
合同参謀本部の鄭承兆(チョン・スンジョ)議長は6日、国会国防委員会「北朝鮮による核実験関連の懸案報告」に出席し「核兵器による明らかな攻撃の兆候があれば、自衛権の次元で先制攻撃を行う」「北朝鮮による3回目の核実験は『ブースト型分裂爆弾(強化原爆)』の可能性がある」という2つの重要な発言を行った。
■先制攻撃と予防的先制攻撃
鄭議長は「敵(北朝鮮)が核兵器を使って攻撃してくる時は、すでに戦争をやるつもりのはずだ。それ(核兵器)によって先に攻撃を受けるよりも、先制攻撃をしてから(戦争を)やった方が良い」と発言した。
韓国軍の制服組トップが「北朝鮮との全面戦争」と「先制攻撃」について公式の席で言及するのは、非常に異例のことだ。鄭議長の一連の発言は、韓国軍の対応戦略が北朝鮮の核兵器保有を念頭に置いて根本から見直されていることを示唆している。
韓国政府と軍はこれまで戦争状況について議論する場合、「先制攻撃」について公式の席で言及するのは控えてきた。
交戦中ではなく平常時に敵の拠点を攻撃することは「予防的先制攻撃」と呼ばれる。イスラエルが1981年にイラクのオシラク原子炉を、また2007年にシリアの原子炉を攻撃したのがその典型例だ。
北朝鮮は1993年3月に核拡散禁止条約(NPT)を脱退して核開発を宣言したが、当時米国は北朝鮮の寧辺にある核施設への予防的先制攻撃(爆撃)を真剣に検討した。しかしこれが全面戦争に拡大した場合、100万人以上の人命被害が発生することが予想されたため、実行はされなかった。
鄭議長は「核実験場に対する先制攻撃は考えていない」としながらも、「状況が変われば別の行動を取るかも知れない」とも発言。別の韓国軍筋は「鄭議長の発言は、北朝鮮に対して核実験に対する強い警告のメッセージを送ったものだ」と述べた。
韓国軍は1990年代の末以降、「韓米連合作戦計画5027」の中に「北朝鮮の化学兵器搭載ミサイルの基地に対する先制攻撃計画」を含め、具体的な準備に取りかかっていた。北朝鮮が3回目の核実験に成功した場合、ミサイル基地に加えて核実験場を含む核関連施設への攻撃など、「予防的先制攻撃」の攻撃対象の範囲も見直されそうだ。(朝鮮日報)>
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