朝鮮半島情勢は新たな段階に入ったといえる。北朝鮮は「小型化、軽量化された原子爆弾を使った」と公然と発表した。韓国に与えた恐怖感は想像を絶する。その恐怖感によって韓国と北朝鮮の軍事力の均衡は一気に崩れると、東亜日報は指摘した。
北朝鮮が核実験を強行したことに、自由主義陣営だけでなく中国やロシアまで非難し、国連安保理は対応策の協議に入った。しかし国連安保理のこれまでの3回目の北朝鮮制裁決議は、北朝鮮の核武装の野心を阻止することができなかった。国際世論は北朝鮮の野望を挫くだけの力を発揮できずにいる。
今回の核実験の強行によって米国は北朝鮮核の脅威に直接曝されたことになるが、オバマ米大統領の反応はいかにも弱々しい。弱腰外交、無関心外交といっていい。このまま北朝鮮が追加の核実験を続ければ、米国の北朝鮮政策は破綻をきたすことになるだろう。
先月の米上院外交委員会承認聴聞会で、当時国務長官に指名されたジョン・ケリー氏と上院議員らは、アフガニスタンは45回、中国は33回、イランは30回取り上げたが、北朝鮮への言及は3回だけだった。まさか北朝鮮政策は、中国にまる投げしているわけではあるまい。
日本と韓国は北朝鮮核の脅威に現実に曝されている。韓国内には先制攻撃論まで生まれている。日本でも北朝鮮核に対応する核武装論が出るかもしれない。北東アジアの安全保障状況は新たな段階を迎えたといっていい。
<【ソウル聯合ニュース】韓国政府は12日、北朝鮮の核実験と推定される人工地震が感知された直後に、非常対応体制に突入した。
外交通商部はこの日午後、緊急対策会議を行い、北朝鮮の3回目の核実験に関する対策を協議した。訪米中の金星煥(キム・ソンファン)長官はニューヨークで、米国とロシアの国連大使と会合し、安保理での対応策を協議するという。また、日本、米国、中国、ロシアなど6カ国協議参加国の駐韓大使らとの協議も推進しているとされる。
統一部もこの日、緊急状況点検会議を開き、北朝鮮の動向把握に着手した。
韓国軍当局は北朝鮮が核実験を行った可能性が高いと判断し、軍事対応態勢を1段階引き上げた。在韓米軍と緊密に協力して対北朝鮮の監視態勢を強化するとともに、さらなる挑発に備えているという。韓米連合軍司令部も対北朝鮮情報監視態勢「ウォッチコン(ウォッチ・コンディション)」を1段階引き上げた。
引き上げにより、北朝鮮の情報監視態勢が普段の2~3倍に強化される。国防部は追加の核実験の可能性もあるとみて鋭意注視している。(聯合)>
<[東亜日報社説]金正恩が核実験を後悔するよう強力な制裁を
政権初期の昨年5月、憲法に「核保有国」と明示した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は、これを確認するかのように12日に3回目の核実験を強行した。昨年12月12日の長距離ミサイルの発射から2ヵ月が経った日に実験をしたことも見過ごせない。北朝鮮がいざという時にはミサイルに核兵器を搭載して実際に使用するための目的で挑発を続けているという結論を下さざるを得ない。20年前に始まった北朝鮮の核の脅威が現実のものとして差し迫ったのだ。
北朝鮮が1、2回目の実験のようにプルトニウム弾を爆破させたのか、新たに高濃縮ウランを使用したのか、まだ明らかになっていないが、爆発力は大きくなった。
国防部は、1回目の核実験の爆発力は1kt、2回目の核実験は2~6kt規模だったが、今回は6~7ktと推定されると明らかにした。1ktはTNT1000tに該当する途方もない威力だ。北朝鮮は、「小型化、軽量化された原子爆弾を使った」と発表した。北朝鮮が核弾頭の重さを1t以下にする技術を習得したのかどうか、国際社会の最大の関心事だ。北朝鮮が発射可能な核兵器を保有することになれば、韓国と北朝鮮の軍事力の均衡は一気に崩れる。
韓国軍がいくら在来式軍事力を拡充しても、核と長距離ミサイルを保有した北朝鮮との関係では、いわゆる「非対称軍事力」の劣勢は挽回できない。北朝鮮が、核兵器の保有数を増やし、米国と核と核で対抗する「恐怖の均衡(balance of terror)」に至らしめ、核軍縮を要求する戦略に出るなら、韓国は突然「戦略的ピグミー」になるだろう。
核武装を主導する金第1書記は、まだ29歳だ。父親の金正日(キム・ジョンイル)総書記は晩年に2度の核実験を強行したが、使用可能な核兵器を作ることができないまま死去した。3回目の核実験をした金第1書記は、簡単には核開発を中止しないだろう。北朝鮮は11日、政治局会議を開き、長距離ロケットの発射を継続すると公言した。現段階で金第1書記の核挑発を阻止できなければ、国際社会は遠からず核とミサイルで武装した「ならずもの国家」とぶつかるほかない。
国連安保理の3回目の北朝鮮制裁決議は、北朝鮮の核武装の野心を阻止することができなかった。
金第1書記は、さらなる挑発をすれば「重大措置」を行うとする国連安保理の警告を完全に無視した。世界の警察の役割を任された安保理常任理事国5ヵ国は覚醒しなければならない。安保理を無視し、なりふりかまわず核武装を追求する北朝鮮に制裁を加えることができなければ、どうやって非拡散を実現するというのか。
生ぬるい制裁と警告では、北朝鮮の核武装を防止できないということが確認されたため、今までとは違う手段を動員しなければならない。安保理が北朝鮮を阻止する考えなら、「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」を定めた国連憲章第7条の適用をしない理由がない。
長距離ロケットの発射に続き、3回目の核実験で意気が上がった金第1書記を阻止できなければ、イランなどの潜在的核保有国に対する圧迫も難しくなる。北朝鮮は世襲指導者が全てを統制する。金第1書記に対する直接的な制裁措置も考える必要がある。
北朝鮮は、米国と中国の対応を見て今後の行動を決めると予想される。先月の米上院外交委員会承認聴聞会で、当時国務長官に指名されたジョン・ケリー氏と上院議員らは、アフガニスタンは45回、中国は33回、イランは30回取り上げたが、北朝鮮への言及は3回だけだった。
オバマ大統領は13日に行う一般教書演説を北朝鮮に強力な警告を送る機会にしなければならない。来月、国家主席に就任する中国の習近平共産党総書記も、北朝鮮の核保有を阻止する考えがあるなら、金第1書記の挑発を制裁する考えを明確にすべきだ。
李明博(イ・ミョンバク)政府は在任5年間、2度も北朝鮮の核実験を空しく見ているだけの無気力さを露呈した。
発想の転換がなければ、朴槿惠(パク・クンヘ)次期政府も似た道を歩くことになる。北朝鮮の核保有が既成事実となりつつある今こそ、北朝鮮政策のパラダイムを変える時だ。「米国の核の傘」の抑止力を維持するために、2年先に迫った戦時作戦権返還の再延期を検討すべきだろう。国連安保理議長国の地位を活用し、北朝鮮が核実験を後悔するよう強力な国際的な対応を引き出さなければならない。(東亜日報)>
杜父魚文庫
11722 韓国と北朝鮮の軍事力均衡は一気に崩れる 古澤襄
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