対日戦争準備こそ戦略の具体化プロセスに必要である。習近平の軍師は誰か? 「師出有名」はやっぱり劉源だった。
「現在の中国軍の戦争準備態勢は具体的な計画不足である。しかしながら戦争は、中国の戦略実現のための一手段であり、現況は戦略確立にとってチャンスでもある」と書き出したのは劉源である。
論文の題名は「確保戦略機遇期 戦争是最後選項」という。
「1979年のベトナム戦争以来、じつに30年も中国軍は実戦経験がない。このため軍の内部でおきてきた巨大な変化とは、実際に戦争をしたら経験のない兵員は本当の作戦能力を試される機会に遭遇していることである。
この三十年、戦争のない軍隊と、貿易戦争を展開してきたビジネス世界は倒錯的である。尖閣をめぐっての軍事的緊張は、戦略確定のための重要な機会である」。
こう説く劉源はいうまでもなく、劉少奇の息子にして陸軍大将。総後勤部政治委員である。事前に、劉源の党中央軍事委員会入りは確実と予想されたが、太子党偏重のイメージを嫌う胡錦涛・習近平が劉源に待ったをかけたと観測されてきた。
それは本当の理由ではなく、劉源は失脚した薄護来と親しい関係にあったため、軍事委員会入りを警戒されたのだ。しかし、習近平にとって劉源も薄護来も幼なじみ。どちらかと言えば先輩格で薄は煙たい存在、劉は兄貴分。信頼している関係にある。
そして上記の劉源論文が大々的に登場した(全文は『環球時報』にも転載。2月4日付け)。これで判明したことがある。習近平の軍師のひとりは、明らかにこの劉源である。
杜父魚文庫
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