韓国の李明博氏は大統領の交代直前になって、まともなことを言い出した。「北朝鮮政権との交渉や対話で核を放棄させることはできない」のは当然のことで、だからこそ2010年の延坪島砲撃事件(ヨンピョンドほうげきじけん)で韓国軍が即時反撃できる軍体制をとっているべきだった。
韓国軍が即応反撃をとれば、北朝鮮が冒険主義的な行動を重ねることはなかったろう。それなのに竹島上陸という方角違いなパフォーマンスを行って人気とりをしている。日韓が提携して北朝鮮の野望を挫くことに精力を注ぐべきだった。中途半端な大統領のまま任期を終わろうとしている。
<李明博(イ・ミョンバク)大統領は15日、「ソ連のスターリン政権は30年間ほど続いたが、北朝鮮はすでに60年目」とし「政権が交代して崩壊する前に核を放棄することは期待できない」と強調した。
李大統領はこの日、国民元老会議の最後の発言で、「北朝鮮政権との交渉や対話で核を放棄させることはできない」とし、このように述べた。国民元老会議とは、李洪九(イ・ホング)、玄勝鍾(ヒョン・スンジョン)元国務総理ら、各界の元老が出席する大統領諮問機構。
李大統領は「金正恩(キム・ジョンウン)は『針が落ちる音にまで耳を傾けて、反動分子を探し出さなければならない』と話すほど、北朝鮮住民を取り締まるのに夢中だ」とし「これからは非常に総合的な戦略を立てる必要がある」とも述べた。続いて李大統領は「韓国政府が期待するのは、北朝鮮政権ではなくとも、北朝鮮住民は変化させられるということ」とし「韓日米が協調して中国を強く説得し、北核放棄のための努力をするが、これよりも北朝鮮住民の変化の速度がもっと速いかもしれない」と予想した。
李洪九元総理は「北朝鮮が核実験を強行したのは内部の不安定が原因」とし「韓国に対する30-40年間の劣勢を一発で反転させ、韓国国内の葛藤を深めさせようというものだ」と分析した。また「政治学的にもこういう権力体制の下では(崩壊が)加速するしかなく、最後に近づくほど危険度が高まるため、これをうまく管理しなければいけない」と述べた。
李大統領はこれに先立って開かれた外交安保諮問団との懇談会でも、北朝鮮政権の崩壊を取り上げた。懇談会では「北朝鮮が現在のように軍事武器開発に予算を使い続ければ、政権を維持するのが難しいだろう」という話が出て、李大統領もこれに同感したという。この席では▽国連安保理決議を通じた追加制裁だけでは北朝鮮核問題を解決するのに限界がある▽根本的な解決法は北朝鮮体制の変化と統一を実現すること--という意見が多かったと、出席者は伝えた。
懇談会の出席者は李洪九元総理、韓昇洲(ハン・スンジュ)韓米協会会長、玄鴻柱(ヒョン・ホンジュ)元駐米大使、河英善(ハ・ヨンソン)東アジア研究員理事長(ソウル大教授・外交学)、金泰宇(キム・テウ)元統一研究院長,尹徳敏(ユン・ドクミン)国立外交院教授、董竜昇(ドン・ヨンスン)サムスン経済研究所研究委員など。
李大統領は、中国が北朝鮮に対する制裁に参加しないという見方が出ていることに関し、「今の現実を悲観的に見るべきではない」とし「大きな枠で見ると、中国も変わっていき、韓中関係もうまく構築され、それを土台に統一もうまく実現させていくことができる」と述べた。ただ、一部で取り上げられている戦術核再配備論については、「そういう主張をする方々の忠誠な気持ちは理解するが、現実的でない」と反対の立場を明らかにした。
李元総理は「米中間で(北朝鮮の核問題について)新たな話をする時、私たちの立場を確実に米中に伝えることが重要だということに、出席者が共感を表した」と伝えた。
河英善理事長は「統一後の周辺国との協力など大きな枠で話があった」とし「短期的に見れば中国は韓米が望む形で動かない可能性が高いため、その解決法について考える必要があるという発言があった」と説明した。
韓昇洲会長は「過去のいつよりも韓米関係が良かったとはいえ、韓米間で戦略的協調の方向を設定しなければならないので、高官級レベルで真摯な議論と調整が必要だと話した」と紹介した。 (中央日報)>
杜父魚文庫
11764 李大統領「北、政権崩壊まで核放棄しない」 古澤襄

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