中国国内の反北朝鮮感情が高まっていると、韓国の朝鮮日報が報じている。ひとつには中国東北部が北朝鮮の核実験で、放射性物質に汚染が懸念され、中国環境保護省が汚染の有無を調査せざるを得なくなったことだ。
中国政府が度重なる制止をしたにもかかわらず北朝鮮が核実験を強行したことに、国内から「環境保護省は福島原発事故のとき、具体的な数値まで挙げて危険性を伝えたのに、今回『汚染はない』と言っても誰が信じるというのか。東北部に住む数千万人の中国人より北朝鮮の方が大切なのか」と書き込みが殺到した。
人気俳優の孫海英も「環境保護省の報道官は北朝鮮の代弁人なのか」とツイッターで批判した。
地下水や土壌の汚染、白頭山(中国名:長白山)の火山活動を刺激するなど二次的な被害が発生する可能性も懸念されている。北京にある北朝鮮大使館や瀋陽にある北朝鮮領事館周辺では核実験に抗議する小規模デモが相次いで発生しているという。
<中国当局は、北朝鮮による3回目の核実験で同国東北部が放射性物質に汚染されているかどうかを確認するため、12の機動監視チームを中朝国境地帯に派遣した。中朝国境からわずか100キロの場所で核実験が実施されたのにもかかわらず、環境保護省が「安全だ」としか発表しないことに対し非難が集中したことから、あわてて調査団を送ったというわけだ。
中国環境保護省は15日、公式ホームページの発表文で「14日に北朝鮮と接している東北部に12の専門モニタリング・チームを派遣、汚染の有無を調査している」とした。また、全国の放射性物質自動観測所150カ所余りでも14日から24時間体制のモニタリングを行っている。
中国環境保護省は北朝鮮の核実験から二日後の14日「東北部にある25の観測所では人工核物質は検出されていない。風向きから見て、韓国や日本の方に行くと思われる」と発表した。
ところがこの発表の直後、中国国内では激しい批判の声が上がった。山東省煙台市の市民は中国版ツイッター「ウェイボー(微博)」に「環境保護省は福島原発事故のとき、具体的な数値まで挙げて危険性を伝えたのに、今回『汚染はない』と言っても誰が信じるというのか。東北部に住む数千万人の中国人より北朝鮮の方が大切なのか」と書き込んだ。人気俳優の孫海英も「環境保護省の報道官は北朝鮮の代弁人なのか」と批判した。
東北部の住民の間では不安が高まっている。北朝鮮の咸鏡北道南陽に接している中国の吉林省図們市について、国営通信社の「中国新聞社」は14日「春節(旧正月)連休中にもかかわらず閑散としていた」と報じた。
さらに、核汚染の恐怖も広がっている。当局の発表通り、今のところは問題ないとしても、地下水や土壌の汚染、白頭山(中国名:長白山)の火山活動を刺激するなど二次的な被害が発生する可能性もあるからだ。
また、中国国内の北朝鮮公館に対し、これまでには見られなかった抗議デモも行われている。自由アジア放送(RFA)が14日に報じたところによると、核実験が実施された12日以降、北京にある北朝鮮大使館や瀋陽にある北朝鮮領事館周辺では核実験に抗議する小規模デモが相次いで発生しているという。
北京の外交関係専門家は「中国人のこうした動きは現段階では始まったばかりだが、長期的に見れば中朝関係や韓中関係にとって大きな変数になるだろう」と話している。(朝鮮日報)>
杜父魚文庫
11767 中国人の「反北朝鮮感情」 思わぬ高まりをみせる 古澤襄

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