11793 イラン、北朝鮮に核実験資金を提供  古澤襄

<北朝鮮が今月12日に実施した3回目の核実験について、米国の国際問題専門のインターネットサイト「ワールド・トリビューン・ドットコム」は18日「イランが企画し資金援助を行っていた」と主張する記事を掲載した。
同サイトは「北朝鮮の核実験、その最終使用者であるイランが資金を援助していた」と題する記事で「北朝鮮による核実験は、その本質はイランによる核兵器のテストだった。(実験には)イラン政府が資金援助や技術面での支援を行っていた」「2013年2月12日に北朝鮮で行われた核実験は、イランによる核兵器設計能力を検証するためのものだった」などと主張した。
同サイトはその根拠として「核実験が行われた咸鏡北道吉州郡豊渓里にイラン人科学者がいた」と指摘した上で「核実験現場の入り口には衛星通信装置の大型サットコムが設置されていた。これは核兵器がイランと北朝鮮による共同の兵器である点と、イランが資金援助を行った事実を示している」とする情報筋の言葉を引用した。
英紙サンデータイムズは17日付で、欧米情報機関から提供された情報として「北朝鮮が3回目の核実験を行った際、イランの核開発責任者であるモフセン・ファフリザデ氏が現場を視察していた」と報じた。イランは北朝鮮の中距離ミサイルをモデルに、同じ中距離ミサイルの「シャハブ3」を開発したが、ファフリザデ氏はこれに搭載可能な小型核弾頭の開発責任者として知られている。
イスラエルはファフリザデ氏の暗殺を狙っているが、そのようなリスクがあるにもかかわらず、北朝鮮の核実験を視察するため出国した。その理由についてサンデータイムズ紙は「北朝鮮の核兵器は小型でありながら強力な破壊力を持つため、リスクを冒してでも実際にその目で見る価値があるからだ」と報じた。共同通信も15日付で「イランは昨年11月、北朝鮮に『核実験を視察したい』との意向を伝え、その見返りとして数千万ドル(1000万ドル=約9億4000万円)相当の中国人民元の提供を提案した」と報じている。
米国など欧米の情報機関は、イランと北朝鮮との「核コネクション」解明に全力を挙げているという。とりわけイスラエルは「北朝鮮による核実験関連のデータがイランの手に渡っている恐れがある」として神経をとがらせている。北朝鮮が2006年と09年の2回にわたり核実験を行った際にも「イランが関係している」との疑惑が報じられたが、確実な証拠は出なかった。
イランのアフマディネジャド大統領は18日、北朝鮮への留学経験があるハッサン・ナミ前国防次官を通信情報技術相に任命した。これはAP通信が報じた。AP通信によると、ナミ氏は北朝鮮の金日成(キム・イルソン)総合大学で国家管理学博士を取得し、イランで国家情報網整備プロジェクトを担当していたという。(朝鮮日報)>
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