11838 知日派・王毅外相 尖閣「対日強硬」変わらず  古澤襄

<【北京時事】中国共産党・政府が、王毅・国務院台湾事務弁公室主任の次期外相起用に向け調整していることが判明した。
実現すれば、王氏は、日本政府による沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化を受け、中国国内で対日強硬論が高まる中、日本通だけに「対日弱腰」を批判されやすい難しい立場に置かれる。このため「対日強硬姿勢を続け、より強硬に出ざるを得ないのではないか」(中国外交筋)との見方が強い。

在日大使館勤務の長い王氏は流ちょうな日本語を話し、日本の政財官界に太いパイプを持つ。
2006年10月には靖国問題で日中関係が悪化する中、駐日大使として戴秉国筆頭外務次官(現国務委員)とともに安倍晋三首相の訪中を実現し、関係改善の立役者となった。端正な顔立ちとスマートな物腰で日本に「王毅ファン」は多く、「王毅外相」が誕生すれば、日本国内では「歓迎」の声が上がるのは確実だ。
しかし、日本通であるだけに日本に少しでも柔軟姿勢を示せば、インターネットなどで「『売国奴』扱いされる」(中国政府関係者)可能性が高い。
中日友好協会会長を務める日本通・唐家※(※=王ヘンに旋)氏が外相・国務委員時代、当時日中関係の悪化を招いた靖国問題で日本側に厳しい注文を出し続けたのは国内の対日強硬論に配慮せざるを得なかったためだ。
ただ日中関係筋は「日本の実情を理解している知日派が外相になることは日本にとってプラス。日本政府も信頼関係のある王毅氏が交渉相手なら配慮を示すだろう」との見方を示す。
一方、一貫してアジア畑を歩んだ王氏の懸念材料は対米外交経験の乏しさだ。
1997~98年に米ジョージタウン大学に訪問学者として渡米したほか、台湾問題で対米交渉を経験したが、中国外交の基軸である対米関係をどう構築するかも焦点となりそうだ。(時事)>
杜父魚文庫

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