【ローマ時事】イタリア総選挙は25日夜(日本時間26日未明)、開票作業が進み、下院(定数630)ではベルサーニ民主党党首(61)率いる中道左派連合が過半数を確保する見通しとなった。
しかし、焦点の上院(定数315、終身議員を除く)ではベルルスコーニ元首相(76)率いる中道右派連合が善戦、首位をうかがう勢いを見せている。
ただ、イタリア・メディアによると、いずれの陣営も単独過半数を獲得できない可能性が出てきており、政局混迷は必至だ。こうした情勢に欧米の市場は直ちに反応し、円高が進んだ。
イタリアでは上下両院が同等の権限を持っており、「ねじれ」となった場合、政治は停滞を余儀なくされる。このため、「再選挙は不可避」という声もあり、混乱の長期化が懸念される。
主要紙レプブリカは、選挙結果の予測を元に「イタリア史上、最も機能不全に陥った議会」と早々に論評した。選挙の争点となったモンティ政権による構造改革が後退するリスクも強まってきた。落ち着きを取り戻しつつあった欧州債務問題が再燃し、「イタリア発の金融危機」も現実味を帯び始めた。(時事)>
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