11911 中国の「影子銀行」「理財商品」は預金者騙し   宮崎正弘

不良債権の爆発を当面回避するために「シャドー・バンキング」が大車輪。これを「理財商品」を呼ぶが、じつは高利金融商品で最後は「ネズミ講」。
不良債権の爆発が目の前に迫っている中国の金融界。
不動産価格の暴落、取引実態は「太子党」同士の投げ売り状態である。「最後のババ抜き」ゲームがいま展開されている。問題はファイナンスである。
いったい資金はどのように回転しているのか?
肖剛は中央銀行総裁になり損なったが、「中国人民銀行」党委員会書記になる。総裁は中央委員からすべりおちたのに留任が決まった周小川。居座りの理由は、周小川が習近平に近く、江沢民派だからである。(これじゃ「白」から「黒」に変わるだけの日銀総裁と変わらないという声あり)。
人事抗争はともかく、肖剛が強く警告した。現在、中国の銀行間で行われている「シャドー・バンキング」はいずれ危機を深める懼れが強いと。
一般的にシャドーバンキング(中国語は「影子銀行」)には高利貸し、投資信託など普通の銀行の通常業務でなく、高利を謳って預金者から定期預金を移し替えさせたり、新しいカネを呼びこむための新商品で、これらを「理財商品」と呼ぶ。
「預金者騙しの武器であり、極めて危険だ」とフィナンシャルタイムズの中国語版が明言している(同紙、3月1日付け)。
理財商品は2009年以来増え続け、現在は当時の八倍、金額にして7兆6000億元に達しており、中国の全預金量の8%にあたる。
ロイターが調査した、もっとも面妖な金融商品は江西省の農地開発を名目として「金像38号」で金利7・2%(現行定期預金の金利は3・25%)。これに類する怪しげな「理財商品」は山のようにあり、いずれ、このネズミ講的なスキームは瓦解するだろう。
杜父魚文庫

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