衆院は4日の本会議で、政府4演説に対する代表質問が始まった。この日質問に立った3党では、自民党と日本維新の会は憲法改正や教育問題などで足並みをそろえ、スタンスの近さを浮き彫りにした。
一方の民主党は、安倍晋三首相の政治姿勢をなじったり民主党政権での政策の継続を求めたりしたが、いずれも首相に一蹴されてしまった。(小田博士)
自民党の小池百合子広報本部長と維新の藤井孝男国会議員団総務会長の質問は、党が逆であっても通用する内容が目立った。
憲法改正では、両氏とも改正条項を定めた96条から着手すべきだと訴え、微小粒子状物質「PM2・5」が中国から飛来している問題でも「対応を進めるべきだ」と歩調を合わせた。
教育問題では、小池氏が「日本教職員組合(日教組)のドンを党幹部とする民主党に期待をするのは誤りだ」と、輿石東参院議員会長を暗に名指ししながら民主党を攻撃した。
藤井氏は、安倍政権が検討する教育委員会制度の見直しについて「首長が責任を取れるよう抜本的に制度を改革すべきだ」と援護射撃した。
藤井氏は民主党政権でこじれた米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題について「辺野古への早期移転が必要だ」と政府方針の速やかな実行を求めた。
維新中堅は「憲法改正は維新の協力なくして実現できないし、質問するのは当然だ。ただ、自民党と同じ内容の質問でも、維新は野党だからズバズバ切り込める」と、あくまで是々非々のスタンスの延長だと強調した。
これに対し、民主党の大畠章宏代表代行の質問も、最近の民主党の姿勢の延長ではあった。
一括交付金、高校授業料無償化、当初は「子ども手当」だった毎月1万円の児童手当…。大畠氏は民主党が手がけた政策の「実績」を強調し、「バラマキと考えているのか」と迫った。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)については「日米首脳会談で自民党公約の条件がクリアされたと言うのは、国民を欺く安倍トリックだ」とかみつき、衆院の議員定数削減では自民党が前向きでないとして「公約違反そのものだ」と攻撃した。
しかし、首相はTPPで「聖域なき関税撤廃が前提ではないとの認識に至った」と述べるなどして軽く一蹴した。
大畠氏が再質問し、首相をにらみつけるように「国民所得が上がって初めて経済回復となる。実現できないときの覚悟は」と攻め立てると、首相は待ってましたとばかりに、今の民主党が聞きたくない「伝家の宝刀」で脅してみせた。
「われわれは常に覚悟を持って政策を推進している。何によって責任を取るか。衆院選だ」(産経)>
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