11934 韓国:朴政権、早くも混迷   古澤襄

<【ソウル澤田克己】2月25日の韓国大統領就任から1週間余の朴槿恵(パク・クネ)政権が早くも混迷している。政権発足に合わせた省庁再編法案を巡って与野党が決裂し、5日までの臨時国会での法案処理に失敗し、打撃となった。
争点は、新設される未来創造科学省への放送行政の移管。朴大統領は4日の談話で「科学技術と放送、通信の融合」が経済成長に必要と強調したが、野党は「政府の放送掌握につながる」と反発。政界関係者によると、妥協が成立しかけたが、朴大統領が拒否。野党は「(父朴正熙<パク・チョンヒ>)元大統領の)独裁を連想させる」と非難し始めた。
談話発表の直前には、目玉人事として未来創造科学相に指名された金鍾勲(キム・ジョンフン)元米ベル研究所社長が、政局混迷を理由に辞退。朴大統領は「三顧の礼を尽くして迎えたのに」と悔しさを隠さなかった。
韓国の大統領が難局打開のため国民に訴えかけて正面突破を図るのは珍しくないが、就任直後から強硬策を取るのは異例だ。
一部世論調査では談話に「共感する」が6割近くに上ったが、最大野党・民主統合党の文喜相(ムン・ヒサン)非常対策委員長は5日の記者会見で「談話ではなく(戦線)布告だ」と猛反発、与野党の溝はさらに深くなった。金亨俊(キム・ヒョンジュン)明知大教授は「朴大統領は、野党を説得しようとせずに圧力をかけている」と懸念している。(毎日)>
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