11947 世界の総額の半分を占めるアメリカの軍事支出額  古澤襄

スウェーデンのストックホルムにある国際平和に関する研究機関「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI – Stockholm International Peace Research Institute)」が、2011年の世界各国の軍事費統計を発表している。
またイギリスの外交・安全保障政策の研究機関「国際戦略研究所(IISS – International Institute for Strategic Studies)」や、アメリカの「CIA(アメリカ中央情報局 – Central Intelligence Agency)」も、毎年、同種の統計を公表している。
しかし、「軍事費(国防費 / 防衛費)」の定義には、国際的な共通の基準が無く、どこまでを軍事費に含むかは千差万別なので、これらの統計からは、おおよその傾向を掴むしかない。
その前提でストックホルム国際平和研究所の軍事費統計を読むと、アメリカの軍事支出額は6895億ドル(55兆1672億円)。世界の総額のほぼ半分を占めている。
アメリカの軍事費は、2001年の同時多発テロ以前は概ね3000億ドル台で推移してきたが、2001年からのアフガニスタン戦争、2003年からのイラク戦争により大幅に増加た。2010年には6982億ドルと近年では最も多い額となり、軍事費がアメリカの財政を逼迫している。
アメリカに次いで軍事費が多い国は中国。1292億ドル(10兆3417億円)となっているが、中国が公表している軍事費には不透明な部分も多く、実際は2倍近くあるとみられている
3位はロシア、4位はフランス、5位はイギリスに続いて日本が6位、545億ドル(4兆3623億円)となっている。中国やロシア、韓国などが毎年増加させているのに対して、日本は減少傾向にあったが、安倍内閣で減少傾向に終止符を打ち、増加の予算措置をとった。それでも対GDP比は「防衛費1%枠」の方針を基準に抑制され、国際的に最も低い水準で維持している。
ついでながらインドは8位、ドイツは9位、お隣の韓国は12位の2兆2624億円。対GDP比は2.7%。
杜父魚文庫

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