11949 中国の同意、「休戦協定白紙化宣言」が決め手?  古澤襄

<【北京=川越一】北朝鮮に対する制裁強化に消極的だった中国が、米国主導の北朝鮮制裁決議案への同意に転じた決め手は、北朝鮮による「朝鮮戦争休戦協定の効力の全面白紙化」の表明だった可能性が高い。
休戦協定は1953年、米軍を中心とする国連軍と北朝鮮の朝鮮人民軍、中国人民義勇軍の3者が結んだもの。中国は協定締結の「当事者」だ。米韓合同軍事演習への反発が直接の原因とはいえ、北朝鮮の突然の白紙化表明は、後ろ盾となってきた中国の顔に泥を塗る行為だった。
中国外務省の華春瑩報道官は6日の定例記者会見で、「休戦協定は朝鮮半島の平和・安定維持に重要な役割を果たしている」と強調し、北朝鮮に対する苛立ちをのぞかせた。中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報も6日付の社説で、「このような反応は常軌を逸している」と強く非難した。
中国の国際問題専門家は「現在の緊張した雰囲気では対話再開は困難だ。善意の信号を送っても行動に移すのは簡単ではない」と指摘。指導部も擁護を続け、国内外から「中国の対朝政策の失敗」と突き上げられては堪らない。
ただ、華報道官は「安保理による適切な対応を支持する」と述べる一方、関係各国に「冷静と自制」を呼び掛けた。北朝鮮へのぜいたく品の流入を防ぐ方策も固めていない。制裁の実効性のカギを握る中国が、北朝鮮を切り捨てる覚悟を決めたと見るのは早計だ。(産経)>
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