11956 米制裁を気にしないパキスタンとイラン  宮崎正弘

中東、南アジアの魑魅魍魎。イランがグアダルに原油精油所建設で合意。パキスタン政府、イランと調印。中国はどうでるか? 米国の制裁は?
パキスタンの最西端グアダル港は戦略的要衝、深海でもあり、バースの建設を中国が請け負って、将来は潜水艦の寄港も可能となる。
ここには既にアラブ首長国連邦が投資した原油精油所があり、一日6万バーレルを精製している。
中国はこの港からパキスタンを南西から東北部へと縦断し、新彊ウィグル自治区までのハイウェイを建設し、原油パイプライン敷設も工事を一部で進んでいた。2006年、ムシャラフ政権のおりに契約したもので、投資総額は125億ドルとされた。
グアダル港の港湾運営はシンガポールの会社から中国へ移管されたばかり。
このグアダルに原油精油所をイランが新たに建設するというのである。しかも一日40万バーレルを精製する大型案件で投資金額は40億ドル(アジアタイムズ、3月6日)。
ロスタム・ハセミ(イラン石油相)が先週イスラマバードを訪問し、合意した。
しかし前述のように中国もこのグアダル港に原油精油所を建設する予定で一部工事は進んでいたのだ。
現在、このプロジェクトは中断されている。それゆえイランの横合いからの急な進出に、いまいちど中国が推進してきたプロジェクトも、拍車が掛かるかも知れない。
中国がパキスタンでの勢いを失ったのはグアダル港建設に際して、バロチスタン地方の治安の悪さ、住民の反中国感情からだった。
 
さてイランーパキスタン合意はなっても、問題は米国である。
米国はイランへの経済制裁で厳しい姿勢を維持しており、この制裁条項にイランからの原油、ガスの輸出は明らかに反するからである。
▼国連のイラン制裁に中国も加わったはずでは?
ガス・パイプライン工事は、別件である。
パキスタンは近未来に一日7億5000万立方フィートのガスを必要としており、隣国イランからのガス・パイプライン工事は喫緊の事態、国連制裁なんぞかまっておれないのだ。
テヘランは、このプロジェクトに5億ドルの借款をパキスタンに与える。
ところでパキスタンもイランも米国の制裁をまったく気にしておらず、とくにガスパイプラインの建設は、ザルダリ(パキスタン大統領)がテヘランを訪問して合意しており、ハメネイ最高指導者は「米国が反対しようとも、これは主権国家同士の話し合いで決めたこと、断固たる決意でやりぬく」と語り合った。
 
(読者の声)韓国の朴槿恵政権、いまだ閣僚人事もできず立ち往生、大法螺吹きの田中真紀子を思い起こさせます。
それにしても日本のマスコミの不勉強ぶりには呆れます。朴槿恵氏は朴正熙の娘だから親日だろう、などという憶測、文世光事件を知っているなら出てくるはずもない。1973年の金大中拉致事件で日本の世論は反韓一色、翌1974年に文世光事件が起こりました。
在日の文世光が朝鮮総連の指示で大統領暗殺を企てたものですが、その時使われた拳銃は大阪府警南署高津派出所から盗まれたもの。その拳銃で朴槿恵氏の母親である陸英修女史が死亡。
間接的とはいえ日本の警察に母親を殺されたとも言える朴槿恵氏。そんな日本は事件を金大中事件同様、うやむやにしてしまいました。
それが後の北朝鮮による日本人拉致問題につながったのかもしれません。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121210/kor12121016480007-n1.htm
1970年代の新聞はサンケイ以外はすべて反韓国といっていいほど。親北朝鮮の朝日新聞や岩波書店など韓国の軍事政権を批判する記事ばかり。
それが今では朝日新聞が韓国では良心的新聞とされ、産経は右派・極右とまでいわれる。日本が右傾化しているのではなく、韓国の左傾化が進んでいるだけなのですが、歪んだ情報空間に閉じ込められていると自分の立ち位置すらわからなくなる。
韓国の左傾化といえば2002年に起きた米軍車両による女子中学生轢死事件に対する反米集会はすごかった。轢き殺された血まみれの女子中学生のカラー写真を大きなパネルにし反米を叫ぶ韓国人、見ていて得体のしれない恐怖に襲われました。日本でも日露戦争後の日比谷焼打事件などがありますから隣国を批判ばかりしてはいられませんが、韓国の反米にはどうしても「北」の影がちらつきます。
韓国では朴正熙政権時代に核開発をしていた、という説がありました。その核をどこの国に使うのかといえば当然のことながら日本です。韓国人にとって、日本に対抗できるのなら北朝鮮とも手を結ぶこともありえます。
韓国で1990年代に制作された映画「ムクゲの花が咲きました」では南北共同軍が日本に核を打ち込むというストーリーで大ヒット。
日本人が見たら不愉快どころか荒唐無稽ですが、韓国人の深層心理を表すものでした。
「Google Map」が北朝鮮内の詳細データを提供、というニュースがあり、38度線近辺をみてみると鉄道も道路もものすごい発展ぶり。とくに高速道路は北の開城(ケソン)工業団地につながっている。金大中大統領の頃でしょうか、京義線は単線未電化でディーゼルカーが1時間に1本というローカル線でした。
沿線には高層住宅が林立しているのに、どうして通勤線として活用しないのか不思議でした。その後、当時の終着駅だったムンサン駅は3面6線に大改造なのを見て、南北京義線連結は本気なのだと思ったものです。
21世紀に入り韓国の新聞は一斉に横組に変わりました。
それを見て感じたのが、こんな言葉はありませんが「脱日入中」、日本式の縦組みを捨て、人民日報に倣ったのだとわかります。中韓が国交樹立する1992年以前から中国の空港では三星(サムスン)や金星(LG)の広告があふれていました。韓国の新政権は米・中・日という序列を明確にしましたが、日本にとってはいいことかもしれません。
日本が対話を呼びかけても韓国が拒否する、という流れが続けば、韓国が経済破綻しても日本には支援する理由がなくなります。韓国の日本語世代がフェード・アウトすることで日韓は単なる外国という関係になれるのかもしれません。(PB生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)70年代のメディアの反朴キャンペーンはひどいものでした。外人プレスクラブでのんでいると外人記者の99%は、朴の悪口、その反作用で、日本に逃げてきていた金大中が、米主導、日本メディアの影響で誇大にデフォルメされ、指導者として過大評価に描かれていくのです。
あの時代、外人プレスクラブは丸の内の古川ビルの一階奥にあって、よく飲みに行きましたが、隣の止まり木から聞こえてくる外国人ジャーナリストらの会話は朴政権の悪口ばかりでしたね。おそらく吹き込んでいたのはアメリカのリベラル記者と、これに追従する日本人記者等でしょうが・・・。
杜父魚文庫

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