団派勢揃いで要職を兼務、復権し上海派が青ざめている。李源潮は国家副主席、胡錦濤の右腕=令計画も復活し、王洋、劉延東が副首相。
団派の復活が目覚ましい。政治局常務委員会入りを江沢民の妨害で果たせなかった三羽烏がそろって要職を固めた。
李源潮は国家副主席へ。王洋と劉延東が副首相になり、胡錦濤の右腕で失脚を噂された令計画までが辛うじて復活した。令は最低得票とはいえ、政協会副主席に滑り込んだ。
国務委員には国防大臣となる常万全(軍事委員会委員を兼務)が昇格し、郭声昆(公安部長)、楊潔チ(現外相)らと並んで国務委員入りする。常万全は団派に近いがベテラン軍人で、軍事委員会副主席になりそこなっていた。
後者=楊外相の出世理由は国連で「日本が尖閣を盗んだ」などの強硬発言の「功績」による。
後任の外交部長は王毅(元日本大使)、また退任をいわれた周小川(中国人民銀行総裁)が意外にも留任し、中央委員会からはずれたものの新たに全国政協会議副主席におさまったという。
以上は全人代終了前の現段階での人事予測だが、おそらくこの通りになるだろう。総括的に言えることは団派の完全なる復権である。
これで胡錦濤の静かなる「院政」が動き出す。
杜父魚文庫
11988 胡錦濤の静かなる「院政」が動き出す 宮崎正弘

コメント