12088 中国建国以来、最も華やかなファースト・レディー　　古澤襄

米ウォール・ストリート・ジャーナルはモスクワを訪問した習近平・中国国家主席の夫人を「中国建国以来、最も華やかなファースト・レディー」と手放しで賞賛している。
習近平・中国国家主席の初の外遊に夫人の彭麗媛さんが同行した。国際舞台にデビューした彭麗媛さんは、2008年にミシェル・オバマさんが米大統領夫人として登場したときの様子を彷彿させるという。
中国メディアによると、習主席はロシア訪問後、タンザニア、南アフリカ、コンゴ共和国を訪れる予定で、彭さんは全日程に同行するという。
＜【北京】習近平・中国国家主席の初の外遊に夫人の彭麗媛さんが同行し、注目を集めている。
中国のソーシャルメディアでは、彭さんがロシアで飛行機から降りたときに身に付けていた濃紺のコートが話題になった。彭さんは控えめな存在に徹していた歴代の国家主席夫人とは一線を画し、国家主席夫人としての国際舞台へのデビューを喜んで受け入れた。
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彭さんの人気は2008年にミシェル・オバマさんが米大統領夫人として登場したときの様子を彷彿させる。彭さんがもてはやされているのは、彭さんが米国のファースト・レディーのような役割を果たす初めての中国共産党指導者夫人となって夫のイメージを支えることができる、と多くの政治アナリストや外交官が期待しているからだ。
香港の日刊紙「香港商報」の副編集長が中国のミニブログ「新浪微博」に「もうこれで優雅なファースト・レディーを探さなくていい」と書き込むと、多くの人がこのメッセージを読んだ。弁護士のZhang Haimiaoさんも「中国のファースト・レディーはもはや高齢の女性ではない。このファースト・レディーの見た目のように中国の将来も一新されれば」と書いた。
ソーシャルメディア上で、彭さんは中華民国の初代総統の孫文の夫人だった宋慶齢と比較されることが多い。宋慶齢も美人として有名だった。中国の国営テレビがモスクワに到着した彭さんの姿を放送すると、阿里巴巴集団（アリババグループ）が運営するオンライン・マーケット「淘宝」では彭さんのものと似たコートが1着499元（80ドル）で販売された。ミシェル米大統領夫人が愛用しているという理由でJクルーなどのブランドが人気を集めているのと同じ現象だ。
一方、中国の新政権は習主席の下で質素と倹約を求める運動を進めている。政府高官はその呼び掛けに応えようと必死だ。しかし、彭さんが着用していたコートのブランドはどこかということや持っていたハンドバッグが高そうだといったことは、国家主席夫人としての彭さんの華やかさほど話題にならなかった。
新浪微博ではGu Weihaoというユーザーが彭さんを「中国建国以来、最も華やかなファースト・レディー」と書き込んだ。
アナリストや外交官によると、習国家主席と並んで彭さんが自信に満ちた様子で姿を見せたことは習氏が前任の胡錦濤氏とは対照的な、自信に満ち、親しみを感じさせるリーダーシップのスタイルを確立しようとしていることの表れだという。
中国メディアによると、習主席はロシア訪問後、タンザニア、南アフリカ、コンゴ共和国を訪れる予定で、彭さんは全日程に同行するという。
過去30年にわたって、中国の歴代国家主席夫人は意図的に控えめな存在に徹してきた。中国の最高指導者だった毛沢東の夫人、江青の評判との関連を指摘するアナリストもいる。江青は毛沢東の死後、「四人組」の一人として逮捕され、文化大革命（1966年-1976年）の混乱を主導したとして有罪判決を受けた。
胡錦濤・前国家主席の夫人、劉永清さんは公の場に姿を見せることはほとんどなかった。胡氏が2011年に国賓として米国を訪れたときも、劉さんは同行しなかった。江沢民・元国家主席の夫人の王冶坪さんも目立たないようにしていた。劉さんも王さんも地味な服装と保守的なヘアスタイルを好み、公の場で私生活について話すことはなかった。
彭さんは歴代夫人とは対照的な存在だ。習氏が権力の座につくまで、彭さんは夫より有名だった。春節のテレビイベントでは、凝ったヘアスタイルに髪を整え、カラフルな民族衣装を身に着けて、何億人もの視聴者の前に毎年姿を見せている。
最近、彭さんは公の場では自らのイメージ抑制に努めている。軍の歌舞団の少将としての立場から、軍服を着用することもある。ここ数年の間に慈善活動や社会福祉活動にも積極的に参加するようになった。
2011年に彭さんは世界保健機構（WHO）の結核とHIV ・エイズ対策の親善大使に任命された。世界各国の政府に結核とエイズの予防と治療のための対策を講じるように働きかける仕事だ。
2008年に四川省で大地震が起きると、彭さんは被災地で特別公演を行った。また、習主席と彭さんの娘で、当時16歳だった習明沢さんがボランティアで援助活動に参加したことを明らかにした。これも前例がないことだ。
2007年に習氏が政治局常任委員に任命される前には、彭さんは中国国営メディアとのインタビューで夫との関係についても話していた。
あるインタビューでは、1986年に廈門市の副市長だった習氏を共通の友人から紹介されたときの様子を語っている。習氏は以前、駐英中国大使の娘と結婚したが、結婚は3年しか続かず、子どももいなかった。
2007年の新聞記事によれば、彭さんは最初、習氏が「野暮ったく、老けて」見えたとして、心を動かされることはなかったと話している。彭さんはのちに歌唱の技術について質問する習氏に引き付けられ、「素朴だが本当に頭がいい」と思ったと語った。（ウォール・ストリート・ジャーナル）＞
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