[シンガポール 4日 ロイター]朝鮮半島情勢の不安が広がる中、韓国株・債券に投資している投資家の間では、北朝鮮の脅しが本物か、それとも口先だけか見極められないまま、リスクヘッジに走る動きが出ている。
これまで、北朝鮮の強硬発言にめったに反応してこなかった金融市場だが、今回は違う。正恩氏という若いリーダーのもとで北朝鮮が挑発の度合いを強めていることに、不安が広がっているのだ。
2月の核実験から約2カ月。投資家は、韓国との戦時入り宣言など、北朝鮮の一連の威嚇に神経質になり始めている。
韓国の5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のプレミアムは83ベーシスポイント(bp)拡大し、過去6カ月で最大の83bpとなった。プレミアムの拡大はリスク警戒感の高まりを示す。通貨ウォンは今年に入り、対ドルで約5%下落しているが、下落幅の半分は核実験後の下げだ。
韓国株.KS11も今週2%下落している。
クーツのアジア・中東担当最高投資責任者ゲリー・ドゥーガン氏は「これまで国際投資家は北朝鮮のノイズに慣れっこだったが、現在の危機のスケールは今までにない感じで、それが人々を警戒させている」と述べた。
外国人投資家の不安は、CDSとクロスカレンシースワップという代表的なヘッジ取引に最も顕著に出ている。あるソウルのブローカーは「外国人は、北朝鮮問題で『韓国売り』を強めている」と語った。
CDS市場では、韓国資産を保有するファンドマネジャーだけでなく、ウォンや韓国国債を保有する銀行や機関投資家も損失リスクを回避するためのプロテクションの買いをしているという。(ロイター)>
杜父魚文庫
12202 北朝鮮リスクで韓国売り、正恩氏の本気度つかめずリスク回避 古澤襄

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