あらためて「みんなの党」の内紛に苦言を呈したい。”この指にとまれ”とか”アジエンダ”を連発する渡辺喜美代表の指導力には、かねてから疑問を抱いていたが、四ヶ月後に迫った参院選で民主党との提携も排除しないという政治判断は理解し難い。
多分、民主党からの離党者が続出すると期待して、その受け皿にみんなの党がなろうということなのだろう。だが、選挙を前にして、あるかどうか分からない民主党離党者を日本維新の会と奪い合いするかのごとき発想はいただけない。
水面下で様々工作があるのは否定しないが、いま必要なのは「維新とみんな」の提携であって、対民主党工作ではない。本末転倒の参院対策人事の内紛でゴタゴタしてはならない。
<みんなの党の渡辺喜美代表と江田憲司幹事長が夏の参院選対策の人事をめぐり対立を深めている。
渡辺氏が新たに選対委員長として浅尾慶一郎政調会長を起用する案を示し、これまで選挙実務を担ってきた江田氏が猛反発しているためだ。党内には渡辺氏の指導力に疑問を呈する声も出ている。
渡辺氏は2日の役員会で、民主党出身の浅尾氏起用案を江田氏らに提示した。同党との連携を視野に入れたものだが、江田氏が主導して日本維新の会との選挙協力を固めてきた経緯があり、メンバーからは異論が相次いだ。
渡辺氏は3日に急きょ両院議員総会を招集し、自らを選挙対策本部長とし、当初はなかった同本部長代行ポストに江田氏を充てた上で、浅尾氏を選対委員長とする案に理解を求めたが、江田氏は地元の横浜市におり総会を欠席。出席議員から「こんな決め方は異常だ」との批判が噴出した。渡辺氏は4日の参院議員総会で改めて人事案を提示したが、江田氏は撤回を要求した。
渡辺氏は同日、記者団に対し、参院選での民主党との連携を「排除する必要はない」と指摘。浅尾氏には「土地勘がある」として、同党関係者との折衝に当たらせる意向を示した。
ただ、みんなの党は既に維新との間で28選挙区の候補者調整を済ませた。江田氏は民主党との協力には「政策が違う」と否定的。党運営の主導権争いも絡み、代表とナンバー2の溝は深まる一方だ。(時事)>
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