12217 北朝鮮に対しなにもできない日本  古森義久

北朝鮮の軍事的な威嚇や挑発に対し、日本は砂に頭を突っ込んだダチョウのような反応をみせています。明白な脅威に知らんぷりをして、あたかもそんな脅威は存在しないかのようにふるまう。そんな無反応です。
もっとも脅威を認めても、いまの日本は軍事的に防衛のための措置をとることはまったくできません。「平和憲法」だからです。いやいやそこから派生する他の理由も多々あります。
日本はどうなるのか。北朝鮮の軍事脅威が日本の無力を日に日に、明確にしています。北朝鮮の挑発へのアメリカの見方の紹介です。今回が最終部分です。
<<日本をも標的とする北朝鮮 そのとき自衛隊は反撃できるのか>>
北朝鮮の国営通信はすでに『朝鮮半島で戦争が起きて、もし日本が自国には関係がないと思ったならば、それは致命的なミスだ』と伝えた。日本へ攻撃をかけ、日本の自衛隊がもし反撃してきた場合は、年来の日韓の対立から韓国が日本に反発するだろう。その動きは北朝鮮を利することになる」
北朝鮮は日本の動きへの韓国の反発というところまで読んで、日本への軍事攻撃をも考えている、というのである。日本としては、万が一にも北朝鮮の軍事攻撃を受けた場合、どう対応すべきか。
北朝鮮は現実に日本領土に届く通常弾頭装備の弾道ミサイルは数百基の単位で保有し、配備している。そのミサイルの危機に備える方法は、まずミサイル防衛網の構築を急ぐこと、となるのだろう。しかし現状では十分な防衛システムなど存在しないことはあまりに明白である。
日本の主要都市が北朝鮮の弾道ミサイルに直撃された場合はどうだろうか。普通ならば、この攻撃は戦争の開始となる。いくら自国の防衛を自縄自縛にしている日本でも、自国領土に外国のミサイルが撃ちこまれ、日本国民多数が死傷すれば、戦争を挑まれたことになる。ミサイルを発射した北朝鮮に対して反撃を加えるのは、わが自衛隊の当然の責務だろう。
だが自衛隊はそんな有事にきちんと反撃ができる体制になっているのだろうか。北朝鮮と韓国や米国との緊張関係の高まりは、日本の国のあり方、特に日本の自国の防衛の方法について新たな課題を突きつけてくるのである。(終わり)
杜父魚文庫

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