12256 どうなる迎撃態勢 米海軍、日本海配備が焦点  古澤襄

<北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程2500~4千キロ)発射に備えた首都圏防衛のため、政府は空自の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を市ケ谷(東京都)、朝霞(埼玉県など)、習志野(千葉県)の3基地に展開する方針を固め9日未明、市ヶ谷に運び込んだ。
一方、北朝鮮は今回、飛行コースを予告していないため、迎撃範囲の広いイージス艦による対処がカギを握る。ただ、昨年12月の前回発射時の態勢では、米軍が日本防護のためのイージス艦配備を見送っていたことが8日、産経新聞の取材で分かった。今回は米イージス艦の展開数と日本海配置の有無が焦点となる。
海自はすでに2隻のイージス艦を日本海に派遣。米海軍も2隻を出動させた。いずれも弾道ミサイルを迎え撃つ海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載型だ。
海自は1隻、米海軍も数隻の追加配備を検討中だが、政府は「万全の態勢」(菅義偉官房長官)となるか不安も抱える。前回は米海軍の配置が手薄で、しかも日本防護を海自の独力対処にしたからだ。その際の迎撃態勢はこうだった。
海自は(1)日本海=こんごう(2)沖縄本島北方=みょうこう(3)石垣島(沖縄)北方=ちょうかい。米海軍は(1)黄海=シャイロー(2)フィリピン沖=ベンフォード(3)グアム近海=フィッツジェラルド(4)北朝鮮とハワイを結ぶ東北沖の太平洋=ジョン・S・マケイン-。
ミサイルは予告どおり石垣島付近上空を通過後、フィリピン方面に飛行したが、海自が日本海に1隻置いたのは発射失敗で本州落下に備えるため。一方、米海軍は黄海の1隻を探知専用とし、日本防護用はゼロ。グアム、ハワイという自国領防護を優先させた。
実は昨年4月の発射で米海軍はイージス艦7隻を展開、うち2隻を日本海に送っていた。それに比べ日本防護の「意思」を大幅に低下させたのも間違いない。
北朝鮮は今回、東部で発射準備を進めており、自国内への墜落を避け東方に発射するとの見方が強い。このため米海軍は太平洋に1隻を配置。ムスダンが射程に収めるグアム近海にも1隻置く見通しだ。(産経)>
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