予測不能の朝鮮半島情勢だが、隣国の日本は予測不能で片づけるわけにはいかない。安倍内閣は、あらゆる可能性に備えて国民の生命と安全を護ると表明した。
韓国は10日に北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」を発射すると予測した。それの裏をかいて10日は何もしないという見方もある。
日米韓がどのような予測をしているか、迎撃手段を持つイージス艦の動き・配置をみてみたい。いま言われているように日本の三沢米軍基地がある上空を飛翔して太平洋に落下するとは限らない。日本海側の元山近くに移動したムスダン発射移動車両が二台あると米偵察衛星が確認している。
二台から異方向に同時発射する可能性がある。
日本のイージス艦は二隻、日本海に展開した。韓国のイージス艦は黄海に一隻、日本海に一隻といわれたが、さらに一隻のイージス艦を日本海に追加配置した。都合、五隻の日韓イージス艦が日本海周辺に集結している。
米海軍はどうか?太平洋側に四~五隻が配置されている。それもグアムに向けてタテ状に配置されている。
この日米韓のイージス艦の配置状況をみると、明らかにムスダン二台が異方向に同時発射する可能性があると、予測していることになる。
東方に発射されるムスダンが日本本土に落下しないかぎり日韓のイージス艦は迎撃手段をとらないであろう。迎撃破壊すれば北朝鮮はノドン・ミサイルを発射して日本にある米軍基地を攻撃する恐れがあるからである。
これは本格的な戦争になる。北朝鮮は韓国のソウルに長距離砲による一斉攻撃をかけるに違いない。
グアムに向けたムスダン発射は、日本の中国地方、四国の上空を飛翔してグアム周辺の海域に落下する。ムスダンの飛距離は4000とも5000ともみられるが、米国は見過ごすわけにはいかない。
2500程度の飛距離であればグアムに対する直接の脅威にはならないから、米イージス艦が迎撃破壊に出ることはないだろう。
問題はグアム攻撃の飛距離を持つと、米海軍が予測・判定した時である。イージス艦はムスダン発射後、数秒間でこの予測・判定が可能である。
数隻の米イージス艦がムスダンを迎撃破壊すれば、北朝鮮の威信は大きく傷つく。迎撃破壊できなければ、米国のミサイル防衛システムが頼りにならないと世界に公表することになりかねない。
杜父魚文庫
12263 日米韓のイージス艦の配置状況をみる 古澤襄

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