12275 反日暴動で襲われた日本企業、襲われなかった日本企業 宮崎正弘

販売店拡大の強気とショールーム閉鎖の対照がはっきり。昨年九月の反日暴動で中国各地に展開するユニクロは、デモに近い場所にある店先に「尖閣諸島(中国語は「釣魚島」)は中国領」と書いたステッカーを貼りだした。
売国奴のような行為だが、後日、ユニクロ側は、「あれは中国の警察が警備上、勝手に張った」と主張した。
しかし小泉元首相が靖国神社に参拝したおりも、この企業のCEOは、「商売に差しつかえるから靖国参拝は遠慮するべし」と言ったとか、言わなかったとか。その社長、昨年の統計で日本の財閥一位(フォーブス)にランクされた。
ただし、中国国内では下記の批判記事もある。
「ユニクロの社員のうち、うつ病などの精神疾患にかかる社員の比率が非常に高い。統計データによると、2011年度に休業を申請した正社員のうち、うつ病などの精神疾患にかかっている社員の比率が42.9%に達した。
ユニクロ全体の正社員のうち約3%が精神疾患を理由に休業を申請しているが、通常の企業の平均比率は0.5%のみだ。このような事態が生じた最大の原因は、過度な残業だ。衣料品の小売サービス業という性質により、長時間の残業が必要になっている。
ユニクロの店長が社員に定めている毎月の基本労働時間は240時間だが、実際の労働時間はこれを大きく上回っている」(人民日報日本語版、3月11日)
そのユニクロは上海に中国最大の大型店を上海に開くと発表した。上海の銀座といわれる准海中路(伊勢丹もオークラもあり)の百貨店跡に6000平方メートルの売り場面積という。
昨年九月の反日暴動で工場を放火された日本企業の代表はパナソニックだった。
パナソニックは松下電器産業と呼称した時代から中国にはやくから進出し、かの天安門事件(89年6月4日)でもひるまずに操業を続けたため、当時の李鵬首相がすっ飛んできて感謝した。
胡錦濤来日の折はわざわざ関西のパナソニック本社を訪問した。
 
パナソニックは北京に展開してきた広大なショールームを3月18日に閉鎖した。
このショールームは北京の新光百貨店の五階と六階、およそ4000平方メートル、07年に開館して多くの消費者をあつめてきたが、日本製品ボイコットと基本的に家電の売れ行き不振によるという。
次はいくつかの工場の撤退であろうか。
杜父魚文庫

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