12305 習近平・プーチン会談は「戦略的パートナーシップ」の演出   宮崎正弘

成果は少なく、戦術的な言葉の遊び。合意は武器輸出だけだった。先々週の習近平モスクワ訪問の貧しい成果があきらかになった。
ガス、石油の価格交渉は折り合わず、とくにガスプロムが要求した400ドルに対して、中国側は250ドルを提示したまま引き下がらなかった。
「これではテンでお話にならない」と価格交渉は継続となり、習近平とモスクワの「パートナーシップ」なるものは「同床異夢に終わった」(アジアタイムズ、4月12日付け)。
対米バランス上、モスクワも北京も「戦略的パートナーシップ」を強調したが、その実態は「戦術的な言葉の遊び」にすぎず、すきま風が吹くほどだ。
2001年に江沢民がモスクワを訪問したときの熱烈歓迎も、03年の胡錦濤モスクワ訪問のあたりから、両国の露骨な打算が目に見えるようになり、とくにロシアが警戒するのは旧ソ連の範疇にあるカザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンへの中国の大々的進出である。
さてそれでも成果はあった。
中国はロシアから最新鋭ジェット戦闘機スホイ35を24機購入するほか、四隻のラタ級潜水艦を購入することが本決まり。合計30億ドルを投じる。
この「商談」には北京から常万全国防相が習近平に随行して合意に持ち込んだ。ただし、ひきつづいて習のアフリカ訪問に常万全は同行せず、北京へ折り返し、ヘーゲル米国防長官に電話をかけ、さらに今月末に予定されているマーチン・デンプジー統幕議長の訪中に備える。
杜父魚文庫

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