12380 ボストン爆破テロ:対米協調のロシア   古澤襄

<【モスクワ大前仁】ボストン・マラソン連続爆破テロ事件で、ロシアの対米同調姿勢が目立っている。
容疑者2人はロシア南西部チェチェン共和国出身の両親を持つチェチェン系だが、プーチン大統領はオバマ米大統領との電話協議でテロ対策で協調する方針を表明した。
対照的にチェチェン共和国のカディロフ首長(大統領に相当)は、事件は「米国の責任」と主張、距離を置くのに躍起だ。
ミサイル防衛(MD)計画などで対立する米露だが、プーチン大統領は18日、アイスホッケーの試合前にテロ犠牲者へ黙とう。ペスコフ大統領報道官は19日、対米協調に関し「テロリストを拒絶する対応に違いはない」と明言した。
ロシアにとり、チェチェン共和国など北カフカス地方の武装勢力は、ロシア国内でテロを繰り返すなど頭痛の種。それだけに、チェチェン系容疑者の関与が疑われるテロ事件は、自らの対テロ強硬姿勢を正当化する材料になりうる。
一方、カディロフ氏は容疑者2人について「彼らは(長い間)チェチェンで暮らしていなかった。米国で学び生活していたのだから、ボストンで起きたことは米国の情報機関の責任だ」と言明した。カディロフ氏はロシア政府と協調して武装勢力を弱体化させたが、武装勢力の周辺地域への拡散も招いている。(毎日)>
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