日本が自国の戦没者に弔意を表することと、他国の領土をいま現在、武力で占領すること(韓国の実例)や、新たな空母を配備すること(中国の実例)とを同列におくというのだから、常識の世界を超えています。
そのうえに日本の一部の政党やマスコミが自国の政治家の先人への弔意表明をあたかも他国への軍事攻撃であるかのように、ネガティブに語る。しかも中国や韓国の法外の誹謗を大々的に報じる。
狂っているという言葉をあえて使うしかありません。
そもそも靖国問題というのは中国や韓国が日本を骨抜きにするため、あるいは日本を単に叩くための政治的な加工品として登場してきたのです。
アメリカ側にもその中国などの不当な態度の陰にある真の意図を指摘する識者たちがいます。
<<中国の「靖国」攻撃 東シナ海交渉避ける口実>>
【ワシントン=古森義久】米国務省の元中国分析部長で現ヘリテージ財団中国専門研究員のジョン・タシック氏 は十七日、産経新聞との会見で日中間の靖国問題や米国の対応について語り、中国側がいま靖国問題を日米同盟へのクサビとして利用しつつあるという見解を明らかにした。
同氏はさらに、中国は靖国問題での日本攻撃でアジアでの優位の誇示を狙い、日本側とは東シナ海の資源開発などでの交渉を避けるためにもこの問題を利用している、と述べた。
小泉純一郎首相やその後継者に靖国神社参拝の中止を強硬に要求する中国の動機についてタシック氏は「米国と、アジアでの日本のような同盟国とを離反させることは中国の年来の政策だが、日本に対してはいまや靖国問題を操作し、利用して日米同盟にクサビを打ち込もうと画策している」と指摘した。
同氏は、中国がいま米国各界に靖国問題で日本を批判することを促す動きをとっていると指摘するとともに、クリントン政権時代には尖閣諸島問題を使って日米離反を図ったものの成功しなかった、と説明した。
タシック氏は中国指導部が靖国問題で小泉政権に対決的な圧力をかけることのほかの目標として(1)中国やアジア諸国の国民にアジアでは中国こそが最優位に立つパワーであり、日本にいくらでも屈辱を与えられることを誇示する
(2)中国が道義的にも民主主義の日本より上位に立つことを示し、自国の道義性を誇る (3)靖国を理由とする首脳会談の拒否で東シナ海の資源開発や領有権などでの本格交渉を避ける-ことなどをあげた。
(3)に関しては「中国は東シナ海での排他的経済水域(EEZ)や軍事問題をめぐる主張で日本に対して分が悪いため、交渉はできるだけ避けたいのが本音で、靖国問題を口実にした会談拒否をその目的に利用している」と説明した。
日本の対応については「中国の靖国非難は日本弱化戦略の一端であり、小泉首相がたとえ中国に折れて、 参拝中止を言明しても、また中国側は歴史認識、教科書、政府開発援助(ODA)問題、日米同盟強化策、台湾問題など次々に新たな非難材料を持ち出してくるというのが米国の中国専門家の大多数の見方だ」と述べ、「小泉首相は中国の圧力には断固として反撃し、一定以上の日本糾弾には代償がともなうことを知らしめる一方、日本国内の異論には別個に対応すべきだと思う」との見解を明らかにした。
米国の対応に関してタシック氏は「米国にとって日本は同盟国であり、中国は潜在敵性国だから、靖国問題でも日本の立場を支持すべきだ。ブッシュ政権も基本的にはそういう姿勢だといえる。米国が日中間で中立の第三者として調停するなどというのは間違いだ」と語った。
米国議会下院国際関係委員長のヘンリー・ハイド議員が小泉首相の靖国参拝に批判を表明したとされることについては「確かに米側で日本軍と実際に戦った世代には靖国参拝への反発があるかもしれないが、小泉首相らは日本には戦犯とされた人でも死後はムチを打たず、国を守ろうとしたほかの戦死者とともにその霊に弔意を表することに社会的、精神的、道義的な深い理由や文化があることを説明して、理解を得ることができるだろう」と述べた。
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【プロフィル】米ヘリテージ財団 ジョン・タシック研究員(中国専門)
ジョージタウン大学卒業後、1971年から米国務省の外交官となり、中国を専門とし、中国、香港、台湾に通算15年余り駐在した。92年には国務省情報調 査局中国分析部長。2001年からワシントンの大手シンクタンクのヘリテージ財団に入り、中国分析の専門研究員として現在にいたる。
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