12545 北朝鮮の平和的崩壊、中国は反対せず  古澤襄

<韓国と中国の外交官や学識者による第4回韓中安保戦略対話が4日、中国遼寧省大連市で行われ、中国側の参加者からは「北朝鮮の平和的崩壊に中国は反対しない」といった踏み込んだ発言があった。
清華大国際関係戦略発展研究所の楚樹竜副所長は「まだ主流とは言えないが、中国政府、学界などの意思決定グループで北朝鮮崩壊の可能が論議されている。北朝鮮が東ドイツのように平和的に崩壊するなら、中国が反対する理由はない」と指摘した。これまで中国では北朝鮮の政権崩壊への言及はタブーだった。
また、中国外務省の徐歩・韓半島(朝鮮半島)問題副代表は「若い指導者のミスター金正恩(キム・ジョンウン)は父や祖父とは異なる。韓国と中国にも新指導部が登場した。(中国の対韓半島)政策が以前と同じであるはずはない」と述べた。
徐氏は中国外務省の局長級で、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で中国の次席代表として、武大偉・韓半島問題特別代表を補佐している人物。徐氏が公の席で行った今回の発言は、金正恩第1書記が権力を継承して以降、中国の対北朝鮮政策が変化していることを示すものだ。中国の官僚が金正恩氏を「ミスター金正恩」と呼んだことも目立った変化と言える。
韓中安保戦略対話は、韓国のニア財団と中国の清華大国際関係戦略発展研究所が主催しており、2011年以降4回行われているが、中国の専門家による見解は過去3回の対話とは一様に異なる雰囲気だった。
中国現代国際関係研究員の達巍・米国研究所長は「米国が体制を保障する方式で北朝鮮がソフトランディングする可能性はほとんどない。せめて学界レベルであっても、統一後の韓半島の問題を論議すべきだ」と述べた。中国人民解放軍元少将の羅援・中国戦略文化促進会書記長は「初歩的な段階ではあるが、北朝鮮の突発事態に関する論議を始めることが可能だ」と指摘した。
これまで中国側の専門家は、中国の対韓半島政策について「戦争と混乱が起きないようにすることが最も重要だ」とする「無戦・無乱・無核」を主張してきたが、今回の対話では「無核」が最優先で話し合われた。
呂超・遼寧省社会科学院研究員は「無核という基礎の上で、韓半島で戦争と混乱が起きないようにすることが重要だ」と述べた。羅援書記長も「韓半島の重大な脅威は(北朝鮮の)核だ」と指摘した。

今回の対話には、韓国側から鄭徳亀(チョン・ドック)ニア財団理事長、張達重(チョン・ダルジュン)ソウル大教授、キム・フンギュ誠信女子大教授らが出席した。(朝鮮日報)>
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