12550 空爆でシリア兵42人死亡=イスラエルに報復示唆  古澤襄

朝鮮半島情勢が小康状態を保っている一方で、イスラエルとシリアが本格的な開戦前夜の緊迫した状態を迎えた。
シリアを後押ししているロシアの「ロシアの声」が、シリアはイスラエルの空爆を宣戦布告だと非難、イスラエルは、シリアからの報復攻撃を懸念し、シリアとの国境地帯へミサイル防衛システムの砲台2台を移動したと伝えた。
また、イスラエルのネタニヤフ首相は地域情勢が悪化したにもかかわらず、中国訪問を開始した。ネタニヤフ首相は、中国へ出発する前、事前にマスコミに発表することなく、主要閣僚や治安機関のトップと会議を開いた・・・とイスラエルを非難した。言外に中国に対する疑念を隠さない。
これに対して、米CNNは現地の緊迫した情勢を伝えながら、「イスラエルに対する報復を宣言したシリアだが、ただ、具体的にどのような行動を取るかについては言及していない」とかなり押さえた報道にとどまっている。
AFPと契約している時事は、エルサレムから在英人権団体「シリア人権監視団」が、空爆によってシリア人兵士少なくとも42人が死亡したと報じてきた。
<【エルサレム時事】在英人権団体「シリア人権監視団」は6日、イスラエルが5日にシリアの首都ダマスカス近郊で行ったとされる空爆で、シリア人兵士少なくとも42人が死亡したと発表した。AFP通信が伝えた。
シリア側は、ダマスカス近郊の科学研究所など3カ所の軍事施設がイスラエル軍に空爆されたと主張。一方、イスラエル筋は、攻撃対象はレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラに向けて運搬される途中のイラン製短距離ミサイルだったとしている。
シリアのゾアビ情報相は5日の記者会見で、「(空爆は)あらゆる可能性の扉を開いた」と述べ、イスラエルへの報復も辞さない構えを強調している。イスラエルは対空防衛網「アイアンドーム」2基を北部に配備するなど警戒を強めている。(時事)>
<シリアは、イスラエル軍がシリアの首都ダマスカス近郊の軍事施設を空爆した後、イスラエルにミサイルの照準を合わせた。シリアの情報筋によると、ミサイルは新たな攻撃が行われた場合に報復攻撃をするために準備されたという。
シリアは、イスラエルの空爆を宣戦布告だとして非難した。イスラエルは、シリアからの報復攻撃を懸念し、シリアとの国境地帯へミサイル防衛システムの砲台2台を移動した。
イスラエルは5日未明、兵器庫や軍事研究センターのほか、大統領親衛隊の営所もあるダマスカス近郊の軍事施設を空爆した。イスラエル紙「ハーレツ」の情報によると、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ向けのイラン製ミサイルが空爆の標的になったという。
だが、シリア、レバノン、イランの情報筋は、この情報を否定した。また、空爆の犠牲者に関する情報も錯綜している。ある情報筋は、空爆により軍人数十人が死亡したと伝えているが、数人が死亡、70人が負傷したという情報もある。
シリアは、イスラエルの空爆に対し、これは侵略行為であり、シリアへの宣戦布告だと非難した。シリアのゾウビ情報相は、空爆について次のように語っている。
「イスラエルの空爆は、地域におけるあらゆる可能性の扉を開いた。この行為は、イスラエルとテロ組織の間にコンタクトが存在することを証明している。」

イスラエルは、3日未明にもシリアとレバノンの国境付近で車列を空爆した。アラブ連盟は、久しぶりにシリアを擁護し、イスラエルを非難した。アラブ連盟は国連安全保障理事会に対し、イスラエルにシリアへの攻撃を停止させるために、早急に行動するよう呼びかけた。
イスラエルのネタニヤフ首相は6日、イスラエル軍がシリアを攻撃したことで地域情勢が悪化したにもかかわらず、中国訪問を開始した。ネタニヤフ首相は、中国へ出発する前、事前にマスコミに発表することなく、主要閣僚や治安機関のトップと会議を開いた。(ロシアの声)>
<シリア・ダマスカス(CNN)シリアの首都ダマスカス郊外で5日未明に爆発があった。シリア政府はこの爆発について、軍の研究施設がイスラエルに空爆されたと述べ、イスラエルによる空爆は過去3日間で2度目だとしている。
シリアのファイサル・メクダード外務次官はCNNの単独インタビューに応じ、今回の空爆はイスラエルによる「宣戦布告」だと非難した。当局者らは、イスラエルに対する報復を宣言。ただ、具体的にどのような行動を取るかについては言及していない。
国営テレビは、イスラエルがシリアの反体制派を支援するために研究施設をロケット弾で攻撃したと伝えた。また、政府系のシリア・アラブ通信も、「テロリスト」による砲撃で付近の住宅街に被害が出たと伝えている。イスラエルがシリア国内で攻撃を行ったと伝えられたのは今年に入って3度目。
メクダード外務次官はCNNの取材に対し、今回の攻撃はイスラム系のテロリストとイスラエルとの関係を示すものだと主張。
「これは宣戦布告だ」との見方を示し、「我々は過去にも数回にわたってこうした事態に対処し、我々のやり方で報復してきた。報復は常にイスラエルに苦痛を与えており、イスラエルは再び苦しむことになる」と語った。
5日には臨時閣議が開かれ、情報相も国営テレビで「あらゆる可能性」に言及した。ただし具体的な内容は明らかにしていない。
国連の潘基文(パンギムン)国連事務総長は5日、イスラエルがシリアを空爆したと伝えられたことについて「重大な懸念」を表明する一方、国連は事実関係について独自に確認できる立場にないと語った。
一方、アラブ連盟のアラビ事務局長は、イスラエルがシリア領内で行った攻撃を非難すると述べ、国連安全保障理事会が「イスラエルによるシリア攻撃を阻止するため」、直ちに対応することを求めるとした。
エジプトとイランもイスラエルによる攻撃を非難した。
緊張が高まる中で、イスラエルも防衛態勢を強化している様子だ。陸軍高官によれば、同国北部の2カ所に対ロケット砲が配備された。また、空港当局は5日、同国北部上空の民間機の飛行を禁止したことを明らかにした。(CNN)>
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