<【モスクワ=佐々木正明】米国のケリー国務長官が7日、モスクワを訪問、化学兵器使用疑惑に揺れるシリア情勢に関し、プーチン大統領と協議した。武器供与でアサド政権を支えてきたロシアが内戦終結に向け、米国の協力要請に応じるかどうかは不透明だ。
アサド政権側が化学兵器を使った可能性があるとする米国の主張について、露側は「用いられたとする確実な情報はない」(パトルシェフ露安全保障会議書記)と懐疑的な姿勢を堅持している。
一方、アサド政権側は反体制派が化学兵器を使っていると主張していることから、ロシアはアサド政権側に実態調査を求めてきた。
AP通信によると、ケリー氏は、化学兵器使用の新たな証拠をプーチン氏に提示し、国連安保理の対シリア制裁決議に拒否権を使用しないよう協力を求める。
しかし、会談直前の5日、シリア問題を担当する国連人権委員会調査官が、反体制派が戦闘でサリンを使用したことに「強い疑いがある」と証言し、情勢は混とんとしている。
オバマ政権は、化学兵器使用を「許容できない一線(レッドライン)」と強調しているが、双方の見解の相違は大きい。(産経)>
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12561 シリア化学兵器使用疑惑で米ロ協議 古澤襄

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