訪米している韓国の朴槿恵大統領は、対日批判をオバマ米大統領に訴えている。韓国経済は破綻寸前、朴槿恵政権の支持率が低下する中で、大国である米国や中国にすがって歴史認識を訴える姿は、あまり格好のいいものではない。
世界の関心はイスラエルとシリアの衝突に向いている。米韓首脳会談を欠席してロシアに飛んだケリー米国務長官はプーチン・ロシア大統領との会談を優先させた。
5月5日から8日までのイスラエル・ニュースは、この問題の深刻さを浮き彫りにしている。
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5月5日(日)
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*先週末にイスラエル空軍がシリアの首都ダマスカス付近の研究施設を空爆したとの報道。イラン製ミサイルが標的だったと、イスラエルの政府高官は語ったが、政府から公式発表は出ていない。(H,Y,P)
*イスラエルのシリア空爆に関して「イスラエルはヒズボラなどのテロ組織から国を守る権利がある」とオバマ米大統領。ヒズボラは「シリアを米国やイスラエルの思い通りにはさせない」と警告。(Y,H,P)
*シリアの地中海岸にあるバニアスで、シリア軍と親政府の民兵がスンニ派の多い地区で約60人を殺害したため、約4000人のスンニ派住民が同地区から避難していると、人権団体が発表。(H,Y)
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5月6日(月)
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*日曜未明にシリアのダマスカスにある軍事研究所をイスラエル空軍が空爆したとシリアのメディアが報道。同種の攻撃は先週末に続き2度目。ミサイルの移送を阻止するのが目的と見られている。(H,P)
*国連の調査チームの担当者が、シリア内戦でサリンガスが使用された可能性が高いと語った。しかし、使用したのは反政府勢力側だとの見解。政府軍側が化学兵器を使用した証拠はまだ無いという。(P,H)
*イスラエルの空爆にシリア軍は反撃しないと政府は予想しているが、念のため、国防軍が北部国境にアイアンドームを配備。(P,H,Y)
*イスラエルがシリアを連続空爆したことで、オバマ大統領がシリアに対する行動を迫られると、マケイン米上院議員が発言。(Y,P,H)
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5月7日(火)
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*イスラエルがシリアを空爆したことで、シリア軍のトップと兵士数十人が死亡したとニューヨークタイムズ紙が報道。(Y,H,P)
*ネタニヤフ首相が中国訪問を開始。中国政府は、名指しは避けたものの、イスラエルがシリアを空爆をしたことを非難した。(H,Y,P)
*イスラエルがシリア空爆時にレバノン領空を侵犯したと、レバノンが国連に苦情。イスラエルに違反を中止させるよう求めた。(H,Y)
*イスラエルの空爆に対して即座には反撃しないとシリアの政府高官。一方、ヒズボラはイスラエルに反撃する可能性を示唆した。(Y,H)
*国防軍が新徴兵制の案を作成中。ユダヤ神学校の学生、宗教的女性などを徴兵するかわりに、全体的に兵役期間を短縮し負担軽減へ。(Y)
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5月8日(水)
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*イスラエルからの空爆を受け、沈黙していたシリアのアサド大統領がシリア軍にはイスラエルと戦う能力があると発言。(H,P)
*入植活動を監視している左派団体が、ネタニヤフ政権が新入植地の建設計画の手続きを中止していると発表。和平に向けた動きか。(P,Y)
*ネタニヤフ首相の中国訪問に合わせ、中国は自治政府のアッバス議長も招いていたが、それに合わせて4項目の和平案を提案。今まで中東和平には関与しなかった中国が態度を変える兆しか。(H,P)
*ロシアで会談したケリー米国務長官とプーチン大統領が、シリア内戦を終結させるため関係勢力の国際会議の開催を呼び掛け。(P,Y,H)
*ゴラン高原に展開する国連部隊のフィリピン人兵士4名を、反政府勢力がまた誘拐。(参考:同部隊には自衛隊も17年間にわたり隊員を派遣していたが、情勢悪化を受け1月に撤退している。)(H,P,Y=イスラエル・ニュース)
杜父魚文庫
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