12572 北朝鮮の拉致と国交は 古森義久

アメリカ国防総省がみた北朝鮮の軍事の能力と戦略についてです。その北朝鮮の軍事力、そして脅威が日本にどう影響するのか。日本人拉致事件はどうなるのか。
・北朝鮮はその軍事力の欠陥部分により米韓軍に大規模な攻撃をかけることは抑制させられてはいるが、なおその能力は保持し、韓国の哨戒艦「天安」の撃沈や延坪島への砲撃のような小規模限定の攻撃の意図は捨てていない。
・北朝鮮の3回の核実験や2012年12月の長距離のテポドン2号ミサイルの発射実験、同年4月の新型移動可能のICBM(大陸間弾道ミサイル)の行進はアジア地域だけでなく米国にとっても脅威となっている。
・米国は北朝鮮の脅威や挑発に対し、韓国と日本に対する拡大核抑止と通常戦力での防衛という同盟上の誓約を確実に守る。
■日本攻撃の最大の手段は弾道ミサイル
以上が報告書全体の要旨だが、気になるのは当然ながら、わが日本への言及である。
同報告書によれば、北朝鮮は米国や日本に対し、自国が核兵器保有国であることを公式に認知させるだけでなく、米韓同盟、そしてそれと一体となる米 日同盟の無力化をも狙っている。そのためには、「かなりの数の移動可能な弾道ミサイルにより韓国内と日本国内の多様な標的を攻撃する能力を有している」のだという。
同時に同報告書は、日本と北朝鮮の間には日本国民の拉致という特別な事件があり、拉致事件が解決されない限りは日本側の対北朝鮮の経済制裁が解除されず、日朝関係の大幅な改善はない、との見通しも強調していた。
さらに同報告書は北朝鮮の日本に対する戦略や脅威について、以下のようにも述べていた。
・北朝鮮はなお通常戦力によっても韓国、日本、東アジア地域の米軍基地などへの脅威となっている。
・北朝鮮は韓国や日本、その他の太平洋地域の標的を攻撃できる中距離の移動可能な弾道ミサイルの開発と増強になお力を注いでいる。(つづく)
杜父魚文庫

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