12679 米国務次官補に知日派のラッセル氏   古澤襄

<【ワシントン=犬塚陽介】オバマ米大統領は15日、米国の東アジア外交を統括する東アジア・太平洋担当の国務次官補に、知日派で国家安全保障会議(NSC)のラッセル・アジア上級部長(59)を指名した。2月に退任したキャンベル前国務次官補の後任として、オバマ政権が掲げる「アジア重視戦略」を牽引(けんいん)する。就任には上院の承認が必要となる。
北朝鮮の挑発を阻止するため、米国は日中韓との連携の深化を模索しており、日本や韓国での勤務経験が豊富なラッセル上級部長の指名で、ホワイトハウスの主導でアジア戦略を加速させる狙いがある。
ラッセル氏は日本語が堪能な職業外交官で、国務省日本部長などを歴任した知日派。2005~08年まで駐大阪・神戸総領事を務めた。オバマ政権が発足した09年にNSCの日本・朝鮮部長に就任し、11年4月にアジア上級部長に昇格していた。

ラッセル氏の後任のアジア上級部長には、NSCで中国などを担当するエバン・メデイロス氏が有力との見方が出ている。
<【ソウル=加藤達也】訪韓中の米国のキャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は16日午前、韓国の外交通商省幹部や柳佑益統一相と相次いで会談した。午後には朴槿恵次期大統領とも会談し、北朝鮮をめぐる東アジアの安全保障情勢や対中関係、日韓関係について意見交換した。
午前の会談でキャンベル氏は、島根県・竹島問題で悪化した日韓関係に言及。会談後、記者団に「韓国政府には(対日関係を)前向きに、確実に進めていくという強い決意がある」と述べ、日韓関係の改善が重要との考えで米韓が一致したとの認識を示した。
キャンベル氏は「(日韓の指導者が)両国関係を肯定的な方向に向けて維持することが最も利益にかなうという点を認識していると信じる」と述べた。
キャンベル氏には国家安全保障会議(NSC)のラッセル・アジア上級部長やリッパート国防次官補(アジア・太平洋安全保障問題担当)も同行。米国は、アジア地域安定のための「日韓関係の再構築」を重視しており、これについて韓国側の認識を確認するため、朴次期大統領との会談で言及したとみられる。

一方、朴次期大統領のスポークスマンは16日、最側近の金武星元議員を特使として22日から中国に派遣すると発表した。金氏は習近平共産党総書記と会談し、中韓関係や北東アジアの安全保障情勢などについて協議するという。
昨年12月の大統領当選後朴氏が特使を派遣するのは初めて。派遣が米国よりも先になることで、中国重視の姿勢が鮮明になった。
特使派遣は、10日に会談した中国特使、張志軍外務次官の要請に応じたものだが、4日に額賀福志郎元財務相を派遣した日本への派遣について、スポークスマンは言及しなかった。(産経)>
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