<国際石油開発帝石(INPEX)とロシア石油最大手の国営会社ロスネフチは29日、ロシア極東マガダン州沖のオホーツク海で海底油田の共同開発に向けて取り組むことで合意した。INPEX側が権益の約3分の1を取得する見込み。日本は原油輸入の8割を中東に頼るが、調達先の多様化で中東の紛争などによる輸入リスクの軽減と輸送コストの削減、価格交渉力の引き上げを狙う。
ロスネフチのセーチン社長が29日、東京都千代田区の経済産業省を訪れ、INPEXの北村俊昭社長と合意文書に署名した。日本とロシアがオホーツク海で共同で資源開発を行うのは極東エネルギー開発事業「サハリン1」「サハリン2」以来となる。
開発の対象になるのは、ロシア極東のマガダン州の沖合50~150キロに広がる「マガダン2」「マガダン3」の両鉱区で、水深100~200メートルの大陸棚に位置し、鉱区面積は約2万8000平方キロ。INPEXによると、これまで両鉱区での油田や天然ガス田の埋蔵量調査は行われていないが、地形などからみて有望なエリアという。開発スケジュールは未定としている。
日本政府は、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じた出資や債務保証で両鉱区での開発を支援する。
日本とロシアは、安倍晋三首相が4月にモスクワで行った首脳会談で、エネルギー協力の推進を確認するなどエネルギー分野での関係を強化している。(産経)>
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