12863 トルコ反政府デモ、全土に拡大   古澤襄

<【6月3日 AFP】トルコ全土で続く大規模な反政府デモで、これまでに1700人以上が拘束されたことが分かった。ムアメル・ギュレル(Muammer Guler)内相が2日、明らかにした。多くはすでに釈放されたという。トルコの半国営の通信社アナトリア(Anatolia)通信が報じた。
人権団体やソーシャルメディアのウェブサイトは反政府デモで数人が死亡したと報じているが、ギュレル内相はこれを「誤った情報」であると否定し、市民58人と治安部隊員115人が負傷したと述べた。
人権団体などは数百人が負傷したとしている。当局は、5月31日以降、100台近くの警察車両と94の店舗、自動車数十台が破壊されたと発表した。ギュレル内相によると、物的被害額は2000万リラ(約11億円)以上と推定されている。
反政府デモの中心地となっているトルコ最大都市イスタンブール(Istanbul)のタクシム広場(Taksim Square)は2日、「政権は退陣しろ」「タクシムは俺たちのものだ」と叫ぶ数千人ものデモ参加者に占拠された。   
今回の反政府デモはタクシム広場の再開発に反対する抗議集会から発展したもの。再開発反対デモを警察が強引に鎮圧しようとしたため、保守的・権威主義的な傾向を強める政府に対する怒りへと雪だるま式に拡大した。5月27日以降、全国67都市で235のデモが行われ、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相が2002年に政権の座に就いて以来、最大規模の反政府デモとなっている。
首都アンカラ(Ankara)では、首相官邸に向けてデモ行進しようとした約1000人のデモ隊に対して警察が催涙ガスと放水銃を使用した。エルドアン首相は2日に行った演説で、「彼らは私を独裁者と呼ぶ。謙虚な公僕が独裁者に例えられるというのなら、私は返す言葉がない」と述べた。(AFP)>
<(イスタンブール/アンカラ 2日 ロイター)トルコの最大都市イスタンブールや首都アンカラで2日、反政府デモが3日目に突入し、デモ参加者が放火するなどして警察と衝突した。内相によると、これまでに各地で90以上のデモが発生し、計939人が拘束された。
過去数年で最大規模となった今回のデモは、政府によるイスタンブールのタクシム広場の再開発計画に対する抗議活動が発端となり、イスラム色の強いエルドアン政権に対する反政府デモに拡大した。ただ、デモの中心地となっているタクシム広場では、警察が1日夜に装甲車を撤収させたことを受け、2日の抗議活動は前日より落ち着いた様子となっている。
医療関係者によると、これまでの負傷者はイスタンブールで1000人以上、アンカラでは数百人に上るという。
エルドアン首相は1日のテレビ演説で、「政府の方針に抗議するのであれば、法と民主主義の範囲内で行うべきだ」と強調したほか、警察は適切な武力行使を行う権利を有すると述べた。また、広場の再開発計画は継続する考えを示した。
米国務省は負傷者の多さに懸念を表明する一方、欧州連合(EU)のアシュトン外務・安全保障政策担当上級代表は、デモ参加者と当局側の両者に自制を呼び掛けている。(ロイター)>
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