対北朝鮮放送「自由北韓放送」の金聖ミン(キム・ソンミン)代表は5日、北朝鮮内の消息筋の話として「先月27日にラオスから北朝鮮に強制送還された脱北者の若者9人は強制的に連れ帰られたのではなく、北朝鮮当局の執拗(しつよう)な懐柔や脅迫に屈し、自ら北に戻ることを決めた」と述べた。
金代表によると、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記の指令を受けた国家安全保衛部要員ら5人は、先月20日からラオス入国管理局に収容されていた脱北者の若者たちに毎日1対1で面会し、逮捕された脱北者の心理を巧みに利用して説得したという。
また、保衛部員たちは、脱北者たちに「既にわが共和国が介入しているので、おまえたちは決して南朝鮮(韓国)や米国には行けない。
これからはわれわれが管理する」と脅迫したり「おまえたちが誰かにそそのかされてここまで連れてこられたのは分かっている。共和国に戻れば、『南浦革命学院』のような良い学校に通わせ、勉強もさせてやる」と懐柔したという。南浦革命学院とは、党や国のために犠牲になった人々の遺児が通う学校で、そこに通えば将来の出世が保障されているとのことだ。
金代表は「北朝鮮当局者と1対1で面会した脱北者たちは、最終的に白旗を揚げるしかない。一人が相手の説得に根負けすると、先を争うように次々と『共和国に帰ろう』と言うしかなくなったのだろう。(決心が)遅れれば、北朝鮮に戻ってからひどい目に遭うことになるため、新たな『忠誠心競争』が始まったのと同じ」と語った。
脱北した若者たちは27日、ラオス入国管理局関係者たちの前で自らの意思を述べるときに、全員「共和国に帰る」と語ったという。(朝鮮日報)>
杜父魚文庫
12917 脱北者9人全員が「共和国に帰る」 古澤襄

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