<日本維新の会の橋下共同代表(大阪市長)は、いわゆる従軍慰安婦問題を巡る自らの発言が招いた党の苦境を脱しようと躍起だ。
上京中の6日は安倍首相らと会談したほか、参院選に向けた街頭演説などを行った。大阪以外の地盤が脆弱(ぜいじゃく)な維新の会はなお、知名度が高い橋下氏に頼らざるを得ない事情も透けて見える。
この日午前、橋下氏は首相官邸に出向き、約2か月ぶりに首相と会談し、沖縄県の米軍普天間飛行場に配備されている新型輸送機MV22オスプレイの訓練の一部を、八尾空港(大阪府八尾市)で受け入れる意向を表明した。
橋下氏は会談後、記者団に「(首相らに)沖縄の基地負担軽減についてしっかり受け止めてもらった」と満足そうに述べた。首相側も参院選後の維新の会との連携をにらんで会談に応じた側面があるようだ。
今回の受け入れ表明は、他党がなかなか言えないような政策を打ち出す「橋下流」の一環だ。政府も沖縄の基地負担軽減に向けた動きが加速するきっかけになると歓迎している。
橋下氏は午後にはJR渋谷駅前で、石原共同代表と衆院選後初となるそろい踏みで演説に立った。約3000人の聴衆を前に、橋下氏は自らの一連の発言を「痛恨の極み。自分の説明不足」と釈明し、「僕の発言で維新の会に対する信頼が揺らいでいる。皆さんの力をもう一度貸してください」と声をからした。
夜は都内のホテルに移動し、東京で初開催となる党政治資金パーティーに出席した。会場を埋め尽くした約3500人を前に石原氏と対談。「憲法改正を自民党は言わなくなった。成長戦略もこれまでの成長戦略と変わらない。(自民党が)絶対に踏み込めないところを踏み込むのが日本維新の会の役割だ」と力を込めた。(読売)>
杜父魚文庫
12920 維新・橋下氏 苦境脱しようとフル回転 古澤襄

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