12926 オバマ米政権 中国傾斜に懸念も  古澤襄

【パームスプリングズ(米カリフォルニア州)=佐々木類】米中首脳会談の直前というタイミングで、オバマ米政権の安全保障部門のトップ交代が電撃的に発表された。
ホワイトハウス内部の力学に微妙な変化があったのでは-といった憶測も流れた。新たな安全保障チームは、「米中新時代(G2)という幻想」(ヒラリー前国務長官)に振り回された1期目に回帰しつつあるとの懸念もくすぶる。
オバマ大統領は5日、ホワイトハウスのドニロン大統領補佐官(国家安全保障担当)の辞任と、その後任にライス国連大使を起用すると発表した。ドニロン氏は7、8両日にカリフォルニア州で行われる習近平国家主席との米中首脳会談の地ならしのために訪中し、帰国したばかりだった。
バイデン副大統領に近いドニロン氏は、欧州や中東から、外交・安保の比重を東アジアに移す「ピボット」(軸足旋回)を推進してきた実績がある。
一方、ドニロン氏の後任となるライス氏はアフリカ専門でアジア政策は未知数だ。国連大使時代、核実験やミサイル発射を行った北朝鮮への制裁をめぐり「中国の国連大使にはぐらかされっぱなし」(日米外交筋)と押し出しの弱さを懸念する声もある。
一方、国務次官補起用が決まった国家安全保障会議(NSC)のラッセル・アジア上級部長の後任に取り沙汰されているのがNSCのメデイロス中国部長だ。
2010年9月、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域で海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船船長の身柄拘束事件で、日本政府に釈放圧力をかけるなど「中国寄りの姿勢を示した」(米紙ワシントン・タイムズ)と批判された。日米関係筋は、これら親中派の復活に警戒感を示している。
(産経)>
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