26日の会期末まで残り20日間を切った。もっとはっきり言うなら、東京都議選が告示される14日で衆院の法案審議をほぼ終え、国会を事実上の閉会になるのではないか。
自民党が優位のまま都議選や参院選を迎える形勢なので、選挙の盛り上がりを欠いているが、”何も決められない国会”の元凶だった衆参ねじれ現象は久しぶりに解消に向かう。むしろ懸念すべきは与党が圧勝しすぎて、野党が弱体化、無力化することの懸念ではないか。
3年3ヶ月のダッチロールを露呈した民主党政権の反動が、自民党を勝たせすぎる副作用を生むとしたら、手放しで喜ぶことは出来ない。
<自民、民主両党は7日、衆院小選挙区の「1票の格差」を是正するために「0増5減」する公職選挙法改正案について、参院政治倫理・選挙制度特別委員会(倫選特)で週明けに審議入りさせることで合意した。野党が多数を占める参院では、採決されても否決される見通し。だが、与党が3分の2以上を占める衆院で再可決され、今国会で成立することが確実になった。【高橋恵子、飼手勇介】
自民党の脇雅史、民主党の池口修次の両国対委員長が7日、国会内で会談し、政府提出の0増5減法案と、みんなの党の「18増23減」の公選法改正案を同時に審議入りさせることを決めた。
民主党は0増5減法案は「1票の格差の違憲状態を解消できない」として5月29日、参院議院運営委員会に18増23減法案の審議入りを求める動議を提出。自民党は「抜本改革は切り離すべきだ」と反発し、0増5減法案は4月23日の衆院通過から約1カ月半放置された。
7日の会談では、自民党が18増23減法案の審議入りを容認し、民主党も動議を取り下げることで折り合った。0増5減法案の採決の見通しは流動的だが、参院が採決しない場合、否決したとみなす「60日ルール」で22日以降の再可決が可能になるため、与党は26日の会期末までに成立させる方針だ。自民党の石破茂幹事長は7日の記者会見で「0増5減法案が思惑で左右されてはならない」と成立を譲らない考えを強調した。
審議入りで合意した与野党だが、対立を引きずっている。脇氏は会談後、記者団に「衆院の選挙制度に関する法案を参院で先に審議するのはおかしい」と述べ、18増23減法案を委員会に付託しても実質的な審議を拒否する考えを示唆した。民主党は「与党は抜本改革を約束した昨年の3党合意をほごにしている」と反発しており、池口氏は脇氏に採決時期を明言しなかった。(毎日)>
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12928 衆院選挙制度改革:0増5減、今国会成立へ 古澤襄

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