12933 中国:5月の輸出の伸び、急激に鈍化  古澤襄

<6月8日(ブルームバーグ):中国の5月の輸出 は10カ月ぶりの低い伸びにとどまり、輸入は予想に反して減少した。統計は、売り上げ水増しに使われたとされる不正な輸出送り状を当局が取り締まった後に発表された。
税関総署 が8日発表した5月の輸出は前年同月比1%増。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想中央値の7.4%増を下回り、4月の14.7%増から大幅に鈍化した。
5月の輸入 は同0.3%減。貿易黒字は204億ドル(約1兆9900億円)となった。
野村ホールディングスやバンク・オブ・アメリカ(BOA)などのアナリストらは、中国の貿易データは不正な販売によって実態よりも膨れ上がっていると指摘してきた。この日の統計でそうした懸念が浮き彫りになり、中国経済の真の強さを測るのは一層困難になった。
シティグループの中国担当シニアエコノミスト、丁爽氏(香港在勤)は「今回のデータはより実態を反映しているように思われる」とし、「輸出入とも大いに失望を誘う内容で、内外需の弱さを映している」と述べた。
税関総署はこの日の発表資料で、5月の輸出入の伸び鈍化は「香港との裁定取引」が抑制されたことが一因だと説明。また人民元高や貿易環境の悪化、国内景気の減速、弱い外需、高い事業コストなども原因だとの認識を示した。
税関総署のデータによると、5月の中国から香港への輸出は280億ドル。4月は395億ドル、昨年5月は260億ドルだった。
5月の輸出に関するエコノミスト予想 は3%減-17.1%増まで分かれていた。輸入の予想中央値は6.6%増、4月は16.8%増だった。市場予想は2.8%減-16%増の範囲だった。貿易黒字は1月以来の高水準となり、予想中央値(200億ドル)や4月の182億ドルを上回った。(ブルームバーグ)>
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