12991 60年代のソ連と酷似する中国経済  宮崎正弘

「さようなら保8成長」とゴールドマンサックス。中国経済、次の7年間は5・7%成長の下降期に突入するだろう。
ゴールドマンサックスの中国経済分析予測のストラテジストであるジミー・ハーが予測した。「中国経済は8%成長が難しくなり、ことしは6%、向こう7年間の平均は5・7%になるだろう」。
三月の全人代で温家宝(前首相)が述べたのは「ことしの経済成長目標は7・5%」だった。
しかしGDPの47%が不動産投資という異形な構造のなか、すでに輸出赤字転落、大型の財政出動は不可能、金融政策は目一杯出し尽くした。こういう境遇のなかでは、次ぎに期待するのはたいそう難しい。
「さようなら保八だ」とハーは続けて言った。「保八」は成長率8%死守のスローガンである。中国は8%成長を割り込むと、失業者が1%につき500万人増えるという図式があり、げんに大学新卒予定700万学生の33%しか就職先が内定していない。中国の卒業時期は7月である。
しかしこうした米国証券系の予測はまだまだ甘く「現在の中国経済は、60年代のソ連と構造が酷似してきた。毛沢東の大躍進のパターンと比較する必要がある」と北京大学のミカエル・ペティト教授は発言している(ウォールストリートジャーナル、6月14日)
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