13082 ドル98円前半、都議選の結果と米長期金利上昇が追い風に   古澤襄

<[東京 24日 ロイター]午後3時のドル/円は前週末のニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の98円前半。都議選での自民・公明両党の圧勝で、参院選での自公両党勝利を見越して早朝から円売りが強まった。
大幅安となった中国株や米長期金利の急上昇も、対主要通貨でドルの支援材料となった。

週明け24日午前のマーケットではドル/円が堅調推移となった。「円安」から「ドル高」にテーマが変容する中で騰勢を維持した。
早朝、ドル/円は98.51円まで上昇。この局面では、23日の都議選での自民・公明両党の圧勝が円売り要因となった。参院選の前哨戦となった都議選で自公が大勝したことで有権者のアベノミクスへの支持が確認され、「参院選でもさらに勝利が予想されるのでドル/円の買いに安心感が出ている」(大手信託銀行)との指摘が出ていた。
ドル/円は、輸出企業の売り等を受けていったん伸び悩んだ後、正午にかけて再び急ピッチに上昇した。この日は上海総合指数.SSECが下げ基調を鮮明にするなど、アジアの主要株価指数が軒並み下落。「ドルに資金が戻ってきている」(邦銀)とされ、ドルが主要通貨に対して上昇した。正午ごろ、ドル/円は98.72円をつけた。
中国株式市場の滬深300指数.CSI300は一時6%下落、上海金融株指数は7.1%下落した。週末の新華社の報道で、中国当局によるシャドーバンキング(影の銀行)規制が示唆されたため、本土系銀行株が下げを主導した。
一方、米10年国債利回りは午後3時10分時点で、2.6003/2.5965%の気配。前週末ニューヨーク終盤は2.5420%だった。同利回りは一時2.62%付近まで上昇した。「米金利の上昇がドル/円にサポーティブな材料となっている」(外銀)という。
「ドルキャリーの巻き戻しによりユーロ安、円安の流れになっている。しかし、米国に資金が流入しているにも関わらず、米長期金利が上昇するという新しい『コナンドラム(謎)』が生じている」(東海東京証券チーフエコノミスト斎藤満氏)という。
コナンドラムはグリーンスパン前FRB議長が、FF金利を引き上げた際に、長期金利が上がらないという現象を表現するために好んで使った言葉。
ユーロ/ドルは未明に1.3086ドルまで下落して6日以来の安値をつけた。持ち直す場面もあったが、アジア株安に伴うドル高で再び下押し圧力が掛かった。
ユーロ/円はドル/円がこの日の高値を付けたのとほぼ同時に129.20円まで上昇したが、その後は高値もみ合いから下落に転じた。
米長期金利の急上昇や、ギリシャ政局の混迷もユーロの重しとなっているという。国内金融機関の関係者は「米国の緩和縮小観測で新興国市場からの資金流出が警戒されている。ユーロ圏に関しても悪材料に敏感になってしまう」と話している。(ロイター)>
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