13109 民主の筋書き破綻=問責と法案「二兎」追う  古澤襄

通常国会閉幕の26日、安倍晋三首相問責決議が可決され、成立が確実視された電気事業法改正案など政府提出法案が廃案となった。混乱の背景には、問責可決と法案成立の「二兎(にと)」を追う民主党のシナリオの失敗があった。
民主党は25日、水面下で与党に「問責よりも積み残しの法案処理を優先する」と伝え、26日午後の参院本会議で電気事業法改正案などを成立させることで大筋合意した。一方、他の野党には「自分たちは問責を出さないが、皆さんが提出すれば賛成する」と伝達。これを受けて生活、社民、みどりの風の3党が25日夕、問責案提出に踏み切った。
法案と問責の二兎を得ようとした民主党は、26日の参院本会議での議事の順序を、(1)与党提出の平田健二議長不信任案を野党の反対多数で否決(2)法案を可決、成立(3)首相問責を可決-とする筋書きを描いた。問責可決を後回しにすれば、政府提出法案の採決に臨めるためだ。
しかし、26日午前の参院議院運営委員会理事会で、法案処理が終われば問責がたなざらしになりかねないと警戒したみんなの党が、問責の先行採決を主張、他の野党も同調した。民主党も参院選を前に与党寄りと映る対応はしにくいと判断し、最終的に与党との水面下の「合意」をほごにした。
一方、与党側は「参院選で過半数を獲得すればいくらでも法案を通せる」(幹部)と見て今国会成立にこだわらなかった。むしろ、今回の混乱を「ねじれ解消」の必要性を訴える材料にしようと狙った面もある。 
自民党の脇雅史参院国対委員長は記者会見で、民主党の対応を「急きょ変わった」と批判。民主党の細野豪志幹事長は会見で「与党には法案を成立させようという熱意がなかった」と強調した。(時事)>
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