13139 進次郎も絶句「鳩山さんはどこの国の味方?」  古澤襄

通常国会は26日、150日間の会期を終えて閉幕し、永田町は7月4日公示、同月21日投開票の参院選に全力投球する。
自民党は、23日の東京都議選で歴史的な完勝を収め、この勢いを参院選にもつなげたいところ。しかし、小泉氏は「勝った勝ったと言うべきではない」と訴え、緊張感を保つためには「強い野党」の存在も必要だと強調した。
会期末の26日には、参院で安倍晋三首相に対する問責決議が可決された。「ねじれ国会」の解消の必要性が国民に伝わったという意味で「野党のみなさんに感謝しなきゃいけませんね。どうか参院選で『いますぐ(安倍内閣は)退陣しろ』という訴えをしてみてほしいですね」と野党を挑発した。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる鳩山由紀夫元首相の発言には思わず絶句。「どこの国の味方なのか」と一刀両断した。

目下の課題である足下の神奈川県横須賀市長選は30日に投開票が行われる。その後は参院選の投開票前日まで全国を駆け巡るため、しばらく永田町から遠ざかる。(山本雄史)
■24日午後 衆院本会議休憩後(国会内)の”進次郎節”
 --「0増5減」に伴う区割り改定案が再可決される
「参院の役割とか、意義とか、そういったものの議論はますます出るのかなと。憲法改正という話の中で、参院の権能と衆参の優越、こういった話は、憲法改正の中だったらまず手をつけるべき。そういう問題は参院の力が強すぎる、そういうことだと思ってますから、ひとつの、憲法改正という議論の中で、そこの部分の議論をより深めるきっかけになればなと、そんな思いです」
 --昨日の東京都議選で自民党が大勝した。受け止めを
「昨日の受け止めとしては、ますます緊張感、気を引き締めて政権運営にあたることがまず一番大事だなとそう思います」
 --参院選に向けては
「この結果が、参院選にどういう影響を与えるかというのは、わかりませんが、おそらく、自公で全勝という結果が、逆にこれからの国政の与党の運営に対してよりハードルが上がったなと」
「ひとつの小さなミスや小さな気の緩みが、大きな信頼の低下につながり得るような。そういう結果として受け止めてますから。何よりも国政は、この勝利に浮かれることなく、むしろ、それだけ与えていただいたものを、どういう結果に出していくのか、ということが問われる。そういった思いを非常に強く持ちました」
--地方の首長選などで結果が出ない中、都議選でようやく快勝した。国政を争点とした戦いともいえるが、参院選に向けてどういう意味があると思うか
「今回の勝利を全勝と取るのか。果たして野党の全敗と取るのか。そこら辺は分析が必要だと思いますけど、あまり与党の立場で『勝った勝った』と言うべきじゃないと思いますね」
「とにかく一度、自民党をもう一度与党に戻したんだから、これだけ議席も与えたんだから、あとはもう結果残してくれるよね、というそういう重いメッセージだと思いますね」
 --共産党が都議選で躍進。二大政党の流れがあった日本政治だが、それが少し変化しているのでは
「おそらく、共産党以外の野党が存在意義を強く出せなかったことが、結果としていつでも立場が一貫している共産党がわかりやすかったという、そういったこともあると思いますね」
「ただ、これからの二大政党制の在り方とか、議会制民主主義の在り方を考えたときに、間違いなくいえることは、強い野党が必要ですから。強い野党がいないと、やはり政治の緊張感というのはいくら持とうとしてもね、抜けがちになっちゃうから」
「私も野党にいたときに意識したのは、強い民主党に対して強い野党・自民党にならなきゃいけないと。そして、それが結果として、与野党の切磋琢磨(せっさたくま)を生んで強い与党があれば強い野党があり、それが政治の緊張感を生み、ひいては国民に信頼される。そんな政治になるというね、思いがありましたから。今、自分が与党の立場になっても、強い野党が必要だという思いは変わりません」
 --強い野党ができるためには政界再編が必要だ
「これは相手の話ですから。とにかく、与党の一員としては、今与えられた議席の中で、確実に結果を残せるような政権運営、与党の運営。これを一致団結して結果を出していくことだけですね。あとの動きは、おそらくこれから、いろんな動きが、それぞれで出るかもしれませんね」
 --父・小泉純一郎元首相が、ブッシュ前大統領と米・キャンプデービッドでキャッチボールしてから12年たつ。2カ月後、当時大学生だった小泉氏と箱根で純一郎元首相とキャッチボールをされている。コミュニケーション術としてのキャッチボールについて考えていることは何か
「コミュニケーションとキャッチボールで、難しいつながりですけど、キャッチボールに対してはぜんぜんコミュニケーションとは関係ないと思いますけど、ただ、野球やってた経験者は誰でも、よく駅で傘でゴルフの素振りをするサラリーマンのみなさんがいるような感じで。野球やってた経験者って、気づいたら、キャッチボールの動作をしていたり、キャッチボールが無性にしたくなる思いってあるんですよ」
「それで、高校時代のことを思い返すと、例えば、私は地元神奈川県ですから、当時松坂(大輔)投手がいた横浜高校とも何度か試合をしてましたし。その横浜高校みたいな強豪校のキャッチボールのレベルの高さってのは、例えば、相手の右肩の付近にグローブを構えて、そこに投げてもらうとすぐに投げる動作に入れるから、一番のベストな所だが、横浜高校はそこに相手がグラブを構えて、それ以外のところにボールが行ったら取らないというね。そのままスルーで、ここに(右肩付近に)くるまで何度でも練習をさせるということをやってたんですよ」
「そういったレベルの高いキャッチボールを見たこともありますから、まあ、政治の世界、特にこれからは国民、有権者とのコミュニケーションをどう図っていくか。ソーシャルメディアの存在、今までの伝統的なお祭り、イベント、駅立ちとか。そういったことも含めて、高度な、有権者とのキャッチボールが問われる時代になったと思いますから、これは本当に難しいですね」
「誤解なく、その小さな誤解が、伝え方の稚拙さが、政治生命を奪いかねないような大きな、大炎上につながりうる。そういった時代に、政治家としてどういうふうに言葉を磨いていくか」
「そして、みなさんの、記者さんやマスコミのみなさんから、厳しいチェックと監視とを、どうやって、時にダメージを受けることがあっても、それが致命的なダメージとならないように、その意識ってのは、これから私自身も大きく問われるところだと思いますね。だから、こういうぶらさがり取材も、非常に緊張感を持ってます。鍛えられますね」
 --最近、親子や兄弟でキャッチボールすることはあるのか
「親子、家族では最近ないですね。地元の草野球チームと参加してやったことありますけど、ありがたいことに、兄(俳優の孝太郎氏)も結構忙しいようなので、はい」
「でもね、この前、(セリーグの)ヤクルトの開幕戦で始球式やってましたからね、兄がね。先越されたなあと思いましたね(苦笑)。地元のイベント、野球大会では何度もやってますが」
「でも、なんか、あの始球式ってのはやりたいようなやりたくないような。だって、芸能人だったらいいけどね、政治家が始球式やって、党派色出たら、右からはブーイング、左からは拍手。ちょっとヒリヒリするような始球式になりそうだもんね」
--始球式で審判とか
「そこを持ってくるんだ(笑)。審判はやっても…投げたいよね、やっぱり。今、草野球やると僕ピッチャーですから」
 --背番号は
「そこ(質問)きます?背番号か。今は11かな」
 --選挙区ですか?(小泉氏は神奈川11区)
「いやいや、毎月の被災地(訪問)、チーム11といっているぐらいだからね」
■26日午後 衆院本会議終了後(国会内) 
 --参院で安倍晋三首相への問責決議が可決された
「ますます、ねじれ国会を解消しなきゃいけないなということが、よくわかったという点においては、野党のみなさんに感謝しなきゃいけませんね」
 --重要な法案が廃案になったが
「そういった結果を招いた、最後の国会の会期末の攻防というのも、もしも、ねじれ状態でなければ、こういった形にならなかったわけですから、ますます、ねじれ国会解消に向けて、参院選、有権者のみなさんに訴えるための、大きな根拠というかね。わかりやすく野党のみなさんが最後に見せてくれたんじゃないですか」
 --今日で国会が閉会。与党になって初めての通常国会だったと思うが、個人的にどう振り返るか
「何かあったら与党の責任として、いつでも足をすくわれる。そしてそれが内閣と日本の政治全体に大きな影響を与えるという意味で、与党の一員としての責任というのは大きい。そういうふうなことを日々、感じるような半年でしたし、それに加えていえば、おそらく、半年前と比べたときに、世界が日本を見る目が変わってきたと思いますね」
「そして、国内のムードも、日本はイケるんじゃないか、という思いが出てきて、そういった意味では、日本の景色が変わったような、そういった半年間ではありましたが、一方で、まだまだそうした変化や実感を感じていない被災地のみなさん。そして、まだまだ経済に対する期待自体も感じていない、中小零細、街で一生懸命働くみなさん。そういった方々に対して、その実感を早く、その手にもたらしていけるように、これからが問われる。まずはそのスタートとしての半年間だったかなと思います」
 --個人的に印象深かった出来事はあったか
「そうですねえ。やはり思うのは、政治の力というのはやはりすごいなと思いましたね。半年前に政権交代があって、それからこの半年で、まさかここまで変わるのかと。時々、あのまま民主党政権が続いていたら、と想像することがあるんですけど、それを考えたら、相当大きな変化だったんじゃないですか」
--今年、これからの半年間。参院選があり、消費税増税の決断もある。課題はいろいろあるが
「参院選が終わったら、国会の場自体が、国民の信任を得れば、変わりますから。結果を出し続けるしかない。その結果にこだわる、そういう与党でなきゃいけませんね」
 --安倍内閣の支持率は依然6割と高い。その状況下でも、問責が可決してしまう国会の状況をどう思うか
「野党のみなさんにとって逆効果だったんじゃないですかね。今、多くの国民のみなさんに、問責を出すという意味は、安倍政権、すぐに退陣しろって意味ですよ。野党のみなさんに、どうか参院選で『いますぐ退陣しろ』という訴えをしてみてほしいですね」
 --自民党の参院選公認候補が、暴力団との交際が明るみに出て公認を取り消されたりしているが、批判がある。この点はどう思うか
「その通りだと思いますね。ご指摘の通りだと思います」
 --事前の(身辺)調査が甘かったという認識か
「やっぱり、これはどうしても仕方ないのかもしれませんが、人気がある政権とか、そういうところには人って寄ってきて、人気がなくなるとすぐに離れていく人もいて、そういった人の見極めは、しっかりしないといけませんね」
「そういった意味を考えると、私は野党がスタートでよかったなと。今、衆院議長の伊吹文明さんから、野党時代に、たまたま党本部のエレベーターで乗り合わせたことがあって、言われた一言が『ああ、小泉くんは野党スタートで良かったなあ』と。
『野党から始めれば、そんなにすり寄ってくる人いないだろうと。与党から始まると、心の底では応援していなくてもね、すり寄ってきたり、そしてまた手のひらかえして離れたり、そういったのってあるんだよ』と。そういった、こともあるでしょうね。そこら辺をしっかりチェックできるように、厳しく、自分たちも律していかないといけませんね」
 --鳩山由紀夫元首相が尖閣諸島について「(日本が)盗んだと思われても仕方がない」との発言をしたが
「一体どこの国の味方なんですかね。さっき、民主党政権が続いていたら、っていうことを想像すると言いましたけど、本当に、そういう発言をされる方が、日本の内閣総理大臣であったことも事実であり、そういう結果を招いてしまったことも、自民党が国民のみなさんの信頼を失ったその反動で、そうなってしまったということを考えれば、その責任の重さを改めて痛感して、もう二度と、そういうふうなことが起きないように、自民党がしっかりと緊張感を持って、やっていかないといけないなと」

「そして、安定政権をつくらないといけない。そういったふうな思いになりましたね。そういった意味でもさっき言ったように、野党のみなさんが問責を出して、安倍政権、今すぐ退陣しろという思いは、有権者のみなさんに訴えてみたら、有権者のみなさんとの、政治の安定を求める声との大きなギャップが、明らかになるんじゃないですか」
 --参院選始まったら全国行脚するのか
「すでに(党本部の)選対の方はプランをつくってくれていますけど、衆院選の遊説とはまったく違う形の遊説になると思います。現時点では詳しいことはまだ言える段階ではないが、いくつかのテーマを持って、遊説の場所、地域、そういった組み方を選対事務局と考えています」
 --問責で、野党は首相が参院の審議に応じなかったことを批判しているが 
「まあ、これは、国会の求めがあったら、出席する義務があるという憲法の規定を引いて言っているんだと思いますが、会期末の攻防ってのは本音と建前の部分がありますから。あまり、そういったことをひとつひとつ、変に反論するよりも、それら含めて、参院選で審判を下してくださいと。そういった、立場、スタンスの方が今、いいと思いますね」(産経)
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