13164 米国務長官 アジア関与を強調しても・・  古澤襄

記事を額面通り読んでいてはいけない。オバマ米政権とくにケリー国務長官がアジア地域に関心が薄いの周知の事実となっている。前任者のクリントン国務長官との落差が顕著なのでASEAN諸国の評判は最悪といえる。
NHKニュースは優等生の作文記事だが、それでも①この地域の国々からは、ケリー長官になって関心が薄れているのではないかと懸念する声も出ている②ASEAN外相会議に初めて出席したがブルネイ入りが遅れた・・・と皮肉っている。
もっと象徴的な出来事があった。1日の記者会見で地元ブルネイの記者が「アメリカは中東重視に政策を変えたのか」とケリー国務長官に詰め寄っている。
ケリー国務長官はASEAN外相会議の冒頭でオバマ政権のアジア政策は「継続するだけでなく、この地域への関与を強めていく方針」と演説していただけに、口先だけのアジア重視に早速反発が出ていた。
ケリーの返答が面白い。「とんでもない。私が今ここにいるではないか・・・」
<東南アジア諸国連合の会議でブルネイを訪れているアメリカのケリー国務長官は、南シナ海の島々の領有権問題を巡り、海洋進出の動きを強める中国をけん制する一方、アメリカとしてこの地域への関与を強めていく方針を強調しました。
ASEANの一連の外相会議に初めて出席するため、1日、ブルネイ入りしたアメリカのケリー国務長官は、ASEAN各国の外相との会談に臨みました。
冒頭のあいさつでケリー国務長官は、中国とフィリピンやベトナムなどが領有権を巡って対立する南シナ海について「アメリカにとって南シナ海での航行の自由と国際法の順守は重要な国益だ」と述べ、海洋進出の動きを強める中国をけん制しました。
そのうえで、ケリー長官は「アメリカのアジア太平洋地域への関与は続かないと心配する国があるとすれば、その心配はきょうで完全に終わる」と述べ、この地域への関与を強めていく方針を強調しました。
オバマ政権が打ち出したアジア重視の外交・安全保障政策について、この地域の国々からは、ケリー長官になって関心が薄れているのではないかと懸念する声も出ています。
このため、会議に先立つ中東での外遊の日程を延長しブルネイ入りが遅れたケリー長官としては、中国を念頭にこの地域での影響力を維持するためアジア重視を改めて強調するねらいがあったとみられています。(NHK)>
杜父魚文庫

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