<(CNN)ムルシ大統領の辞任を要求するデモが広がっているエジプトで、軍は1日に声明を発表し、政府が48時間以内に国民の要求に応えなければ、秩序回復のため介入すると通告した。
軍の声明はラジオとテレビを通じてエジプト全土で放送された。今回の通告について「我が国の歴史的瞬間について責任を担う最後の機会」と位置付けている。
ただ、軍の報道官は同日、「軍事クーデーターは容認しない」と言明し、声明の意図は、早期解決と国家的合意を促すことにあり、軍が政治勢力や支配勢力に加担する意図はないとコメントした。
首都カイロ中心部のタハリール広場では、ラジオや携帯電話から軍の声明が流れると、集まっていたデモ隊から歓声が上がった。
同国指導部に近い関係者によると、軍は政治に直接介入する意図はないとしながらも、エジプトで初めて民意によって選ばれた大統領に対し、大統領の出身母体である「ムスリム同胞団」の影響力を低下させるとともに、大統領選と議会選を早期に実施して、政権の立て直しを図るよう要求しているという。
ムルシ大統領はこの発表の直後に、カンディール首相や軍のトップのシシ国防相らと会って対応を協議したことを明らかにした。会談の内容は公表していない。
一方、反大統領派は同日、ムルシ大統領が2日までに辞任しなければ抵抗運動を開始し、国内全土の抗議運動と大統領宮殿前でのデモ行進を呼びかけると表明した。
同グループはこれまでに、大統領の辞任を求める1700万人の署名を集めたとしている。これは大統領選でムルシ氏が集めた得票数を400万ほど上回る。
ムスリム同胞団メンバーの元議員はCNNの取材に対し、軍は国内の対話を仲介する存在になり得ると期待を示す一方で、ムルシ大統領は何度も反大統領派の指導者と接触してきたにもかかわらず反大統領派が「民主主義を恐れている」と批判した。
1日にはデモ隊がムスリム同胞団の本部を襲撃し、火炎瓶を投げたり事務所に放火するなどしている。
国営通信が厚生相の話として伝えたところでは、30日から1日にかけてのデモで、少なくとも16人が死亡、780人が負傷した。スリム同胞団の本部襲撃による死者だけでも8人に上っているという。
また、政府系の日刊紙アルアハラムは、性的嫌がらせ撲滅を訴えているボランティア団体の話として、デモの最中に性的暴行を受けた被害者は30日以降だけで46人に上ると伝えた。(CNN)>
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13166 エジプト軍が介入を通告、CNN 古澤襄

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