13230 カンカン照り、まもなく枯渇するが、水の供給に背を向けた中央銀行  宮崎正弘

中国はキャッシュクランチに陥り、ATMから少額しか引き出せない。ウォールストリートジャーナル(7月5日付け)が中国経済に強い警告、それも非常に深刻な警告を発した。「過去二十年、中国株は上向き、経済は成長一途だった。ながれが変わった。大局的な退歩局面に傾斜し、これから長く株価のリバウンドはないだろう」
英誌『エコノミスト』(6月29日号)が特集した記事の挿画には、砂漠にせっかく花開いた草花もカンカン照りで干し上がり、悲鳴をあげている。それでも水の供給に背を向けた中央銀行という構図だ。
実際にSIBOR(上海の銀行間金利)は六月下旬、突如25%を突破した。バーゼル協定に加盟している中国は銀行の規則を一応適応しており、預金量の75%までしか貸し出しが出来ない。
不足した場合、銀行が融通し合うシステムで、LIBOR(ロンドンの銀行間金利)が世界標準とされる。短期金利とはいえ瞬間的に25%というのは異常事態である。
ところが銀行間融資も枯れ、預金者の預金を高利でつって振り返らせる「理財商品」(高利回りの金融商品)で切り抜けたが、いまや発行高が300兆円を突破し、シャドーバンキングへの規制強化に乗り出した。この経過は、小誌でも何回か指摘した。ついに中央銀行が資金の追加供給に背を向けた。
このため、中国経済が破滅局面に陥った場合、日本はどう対応するか、日本経済は、ようやく新政権でアベノミクスが軌道に乗りかけているときに「予期せぬ外国での出来事が、どのような悪影響となるか。日銀は政策決定委員会で、近くこのチャイナリスクを議題にするだろう」とウォールストリートジャーナルが書いている。

この記事は筆者がバンコックで購入した版(7月5日号)で読んだが、日本で報道されたのか、どうかは知らない。
杜父魚文庫

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