13300 民主・海江田氏、20割っても続投説  古澤襄

21日の投開票まで残り10日を切った参院選。苦戦を続ける民主党では海江田万里代表の進退論が活発になってきた。党内でささやかれている勝敗ラインは改選44議席の約半数の20議席。ただ、それを下回っても、「ポスト海江田」に名乗りを上げそうな議員は見当たらない。辞任は党分裂の原因にもなりかねず、20議席を割っても責任論を棚上げする形で海江田氏が続投するとの見方が強まっている。(坂井広志)
海江田氏が12日に訪れた先は兵庫選挙区(改選数2)。同県稲美町では記者団に「最激戦区だ。もう日本維新の会は自民党の補完勢力。維新は自民党同様、社会保障に冷淡だ」と関西を地盤とする維新に敵意をむき出しにした。
自民党候補の優勢が伝えられる中、残り1議席をめぐり民主党は維新とデッドヒートを繰り広げている。
各種情勢調査で民主党の獲得予測議席は20前後で、「1議席」は海江田氏の進退を左右しかねない。すでに海江田氏に近い党幹部は「20議席獲得できたら『辞任するな』と進言するつもりだ」と語っており、海江田氏続投の流れは作られつつある。
改選議席の半数でも続投論が出るのは、党衰退の原因が約3年3カ月間の民主党政権そのものにあるとの見方が強いからだ。責任は鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦の各元首相にもあるというわけだ。
加えて、参院選が終われば当面、国政選挙はない。「新顔」で出直す必要はなく、党内をまとめるには味方も少ないが敵も少ない海江田氏が適任-という本音が漏れる。海江田氏と距離を置く幹部ですら「参院選が終わってもモラトリアムだ。党内に代表を代えようとするエネルギーはない。しばらくは選挙管理内閣ならぬ代表選管理執行部だ」と投げやり気味だ。
現段階で「ポスト海江田」候補には代表選経験のある馬淵澄夫元国土交通相が浮上している程度。それも推薦人20人の確保は極めて困難とみられる。結局、20議席を切っても混乱を回避するため海江田氏が続投する可能性があるわけだ。
もっとも、海江田氏は2月24日の党大会後の記者会見で、参院選について「刀折れ矢尽きたと思ったときは潔く代表をやめる。31の1人区のうちいくつ取れるかが本当の意味で目標になる」と明言している。その1人区では自民党に歯が立たず、民主党は全敗の危機もささやかれている。
責任論か混乱回避か-。20議席を割った瞬間、民主党はその間で揺れ動くことになる。(産経)>
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